TOPINTERVIEWプロフォト本社(ストックホルム)「Pro Event」レポート(前篇)

#INTERVIEW プロフォト本社(ストックホルム)「Pro Event」レポート(前篇)

スウェーデンのストックホルムに本社があるプロフォト社。3月4日、世界数カ国からメディアを招待し、PRイベントを開催した。

プロフォト本社(ストックホルム)「Pro Event」レポート(前篇)

参加した各国のメディア
スペイン「DNG Photo Magazinehttps://www.fotodng.com/
UK「Camere Jabberhttps://camerajabber.com/
フランス「Chasseur d’imageshttps://www.chassimages.com/
ドイツ「ProfiFotohttps://www.profifoto.de/
スウェーデン「Fotosidanhttps://www.fotosidan.se/
ロシア「Photar.ruhttps://photar.ru/
日本「SHOOTINGhttp://shooting-mag.jp/

結論から書くと、今回のPro-Eventはプロフォト社のCEOや本社スタッフと、各国メディアとの意見交換会、コミュニケーションが主目的であった。

「SHOOTING」では編集長レポートとして、
 ・イベントレポート(前・後篇)
 ・CEO Anders Hedebark氏インタビュー(前篇)
 ・製品担当者に聞くProfoto B10の開発秘話(後篇)

などをお届けする。

PRイベントは、当日朝のブレックファーストからスタート

メディア関係者は宿泊ホテルのロビーに集合。お互いカメラを持っているので、なんとなく「あなたもプロフォトの?」的な感じで(笑)、自己紹介が始まる。送迎車に乗り込み、皆で本社へ向かう。

本社はストックホルム中心地から少し北西側。大きなビルの2階に入っている。
ショールームから続く長い廊下の左側がオフィス。その先のアイランドキッチンのある部屋で、軽く朝食をとる。

入り口を入ると、まずショールームがある。

左側がオフィス。右側にはコートをかける部屋がある。通路はギャラリーにもなっている。

「みなさん、プロフォトへようこそ。自由に食べて!」。
個別に挨拶を交わしながら、食事をとる。一応、名前入りのネームプレートを渡されるが、あとは自由。リラックスした雰囲気なので、それほど緊張しなくて済みそうだ。

デイパックの後ろ姿(右写真正面)はスペインのMartinさん。右はフランスのNicolasさん。

ネームプレート。

Anders Hedebark・プレゼンテーション

朝食後は社内のスタジオでCEOのAnders Hedebark氏のプレゼンテーションからスタート。「プロフォトは創業以来、ずっとプロフェッショナル・フォトグラファーをサポートしてきた。その思いは今も変わらず持ち続けている」と、今までの歴史、製品ラインアップを見せながら熱弁。

プレゼンの途中で「CHANGE」の文字が浮かぶ。

「この数年の撮影環境の変化。特にスマートフォンのカメラ機能の進化は著しい。誰もが美しい写真を撮れる時代。我々も変化していかなければならない。
今日はみなさんと、写真業界、プロフォトグラファーの未来がどうなっていくのか、ディスカッションしたい」とAnders氏。

その後、各国のメディア担当者が、自己紹介を兼ねながら挨拶。それぞれの国の写真業界の現状や、プロフォト製品への質問、意見交換が行われた。

各国のメディアと意見を交わしながら、質問に答えていくAnders氏。 質問への応答に迷いや淀みがなく、スピーディ。

Emma Svensson・デモシューティング

Anders氏のプレゼン後は、Emma Svensson氏のデモ撮影。いきなりライブシューティングが始まるのかと思ったら、今まで撮影した仕事や作品を見せながらの自己紹介から。

「今日はPro-10を使って撮影します。Pro-10はチャージが速くテンポ良くシャッターが切れるので、動きのある撮影には欠かせません。」と話していた。

ライティングを変えながら、ライブシューティングするEmma氏。

ランチタイムは、プロフォトの製品開発担当者やマーケティングマネージャー、招待メディアの方々と食事をしながらの歓談。

話をしたGöran Marén氏。ストックホルムには約150名の社員が働いていて、そのうち開発グループは約50名。社内にはオープンキッチンがあり、社員が食事を作ることもあるそうだ。

Emily Dahl・デモシューティング

午後はEmily Dahl氏の自己紹介とデモ撮影からスタート。モデルの両サイドバックから、Profoto D2に赤と青それぞれのフィルターを着けて照射。手前からのメインライトにはビューティディッシュを使用。

途中から、ビニールをモデルの前に垂らしていく。D2はストロボだが、Emily氏はモデリングをつけて定常光として使用。モデルの顔や ビニールにどのように光があたっているのかを確認しながらセッティングできるので便利だ。

Anders Hedebark・インタビュー

デモ撮影の合間に、CEOのAnders氏へメディア別にインタビューを行った。
「SHOOTING」編集部で聞いた一問一答は下記の通り。

照明機材も様々なメーカー、種類がありますが、プロフォト製品のベネフィット、優位性はなんですか。

ライトシェーピングツールとは広く光に関する全てを指します。マグナムリフレクターなどだけでなく、光の光源、白い壁すらライトシェーピングツールです。バウンスさせて均一できれいな光を作ることができます。あらゆるものを使うことができます。ライトシェーピングツールを自分で作る人もいます。

私たちがデザインしているのは、フォトグラファーとして必要なもののベースです。さまざまな種類のハードリフレクターや、やわらかい光を演出するためのソフトボックス、ソフトライト系のリフレクターなど、もちろん他社製品も試せますが、Profoto製品は「Profotoシステム」としてシームレスに連携させることができることがメリットです。

「光を作る」「光をコントロール」するという点について、欧州、アジア、アメリカで何か違いはありますか(写真の嗜好性の違い等)。

国ごとの大きな違いがあるとは思っていません。世界中のハイエンドのフォトグラファーは、皆高いスキルを持っていて、光を演出しています。

日本は、やわらかい光や、他の国よりもやや冷ための光が好きかもしれません。だけど、それは本当にわずかな小さな違いで、言葉にしなくてよいくらいに感じます。特に昨今は何にでも当てはまりますが、写真、フォトグラフィーはワールドワイドで、国ごとに好みにわずかな違いがある程度だと思います。

例えばニューヨークにもパリにも、多くの日本人フォトグラファーがいます。業界を牽引するようなトップエンドのフォトグラファーは世界各地にいます。日本人も、アメリカ人も、ヨーロッパ人も国際的に活動していて、私は、今のこのような状況が好きです。世界がどんどん狭くインターナショナルになっています。

ワールドワイドでの「売れている製品ベスト3」を教えてください。

小型製品ほどよく多く売れる傾向があります。C1やA1、B10 がより多く売れています。より大きなマーケットに訴求しているためです。金額ベースで言うと、製品を通してほぼ等しい分布になっています。

メルセデスベンツはSからAクラス、BMWは8から1シリーズまでラインナップがあります。一方、フェラーリやポルシェは、高級車種しか作りません。 プロフォトは、Pro-10からA1やC1まで、ラインナップを広げてきました。今後、どのように展開されていくのでしょうか。

マーケット全般において、大きくジェネラル・プレミアム・ラグジュアリーな商品や製品に分けることができます。フェラーリはラグジュアリー、BMWはプレミア、SKODAはメインストリームといった具合に。

Profotoはプレミアム製品です。価格もプレミアムですが、ライトシェーピングに理解あるフォトグラファーの方々に選ばれます。これからも、さまざまな舞台で活躍するプロフェッショナルフォトグラファーに、多様なライトシェーピングツールを提供してサポートを続けていきます。

日本のマーケットでは「ミラーレスデジタルカメラ」が主流になりつつあります。どのカメラも優秀で、スマホでも十分キレイな写真が撮れます。改めて「光をつくる」ことの魅力は何でしょうか。

「どこのメーカーのカメラを使うか」よりも、ライトシェーピングは重要です。プロフェッショナルフォトグラファーとして、よりフォーカスすべきは光です。もちろん、私の個人的な嗜好で偏ったところがあると思いますが、写真表現に本当により重要なのは何かと考えれば、「光」にたどり着くと思います。

このことは、スマートカメラ(スマートフォンではなくて電話機能付きのスマートカメラ)が登場して普及した今日においても、より確かな根拠として言えることです。

通信システムでは5G対応製品が発売され始めています。日本ではスマホやPCでの動画視聴が大幅に増えていて、映像制作の仕事も増えています。 Profoto製品のLEDモデリングランプは優秀で、この定常光でカメラのISO感度を上げてスチルの撮影をしたり、動画を撮るフォトグラファーもいます。今後、定常光(製品)についてはどのように考えていらっしゃいますか。

Profoto は、プロフェッショナル「スチル」フォトグラファーをサポートするために製品を開発しています。これまでの50年間、そしてこれからも、スチル撮影のプロフェッショナルフォトグラファーのために製品を開発します。私たちが「Profoto」と呼ばれる所以です。

もちろん、スチルフォトグラファーがビデオ撮影をするのもよく理解しています。これからもサポートして、製品も幾らか少し機能を改善・向上していきます。ですが、ビデオ/フィルムプロデューサーはサポートしません。

私たちがサポートするのは、プロフェッショナルフォトグラファーだからです。両者をサポートすることはできません。

プロフォト製品の今年の展開、戦略があれば教えてください。

Profotoでは売上高の約10%を製品開発に投資し、常に最先端のツールをプロフェッショナルフォトグラファーの皆様に提供することをコミットしています。フォトグラファーの皆様に役立つ製品を、今後も継続的にマーケットに投入していきますので、ぜひ楽しみにしておいてください。

今回発表できるニュースとしては、B10/B10 Plusのキセノン・フラッシュを、iOSスマートフォンのカメラでの撮影で使うことができるProfoto Camera アプリを近日中にリリースします。

今後、一眼レフカメラやミラーレスカメラで B10/B10 Plus を使うのと同じ感覚で、スマートフォンのカメラを使った撮影でも大光量のプロフェッショナルなライトB10/B10 Plusの恩恵を受けることができるようになります。

ボルボ、プロフォト、ハッセルブラッドはスウェーデン発祥です。私はデザインが気に入って「イノベーター」のスーツケースを愛用しています。なぜスウェーデンから「良いデザイン」「良いプロダクト」が生まれるのでしょうか。

大きな背景にあるのは、スウェーデンが小さい国だと言うことでしょう。海外に輸出しなければ生き残ることができません。日本やドイツ、アメリカの会社は、自国のマーケットだけで足りていました。スウェーデンには現在1000万人の人が暮らしていますが、当時は500万人だけでした。小さな自国の中だけでは、生き残るのは不可能でした。

新しい製品開発にも初期費用がかかります。なので、世界中で売らなければなりません。そして、プレミアムな製品でなければなりませんでした。スウェーデンは教育レベルが高く、給与レベルも高いため、ローコストな予算の製品を作ることはできません。

理由は2つあります。ワールドワイドで売らなければならないから。そして、何らかのデザインや価格etc.による参入障壁が必要だからです。私たちはユーザーとデザインにフォーカスします。とても難しいです。なぜなら、コンスタントにチェンジ(変化)、チェンジしていかなければならないからです。

そのスピードがとても重要です。製品開発×チェンジを組み合わせれば、良いデザインにたどり着きます。iPhoneもすばらしいデザインですね。デザインとスウェーデン社会は切り離せません。私たちは、よくデザインされ高品質な製品を実現しなければならないのです。

#stayshoot/中村恵理(Eri Nakamura)

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#stayshoot(058)うちで撮ろう。

プロフォト本社(ストックホルム)「Pro Event」レポート(後篇)

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2020年3月4日

プロフォト本社(ストックホルム)「Pro Event」レポート(前篇)

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