140を超す国と地域を旅してきた写真家 竹沢うるまの4年ぶりとなる待望の新作『BOUNDARY|中心』が、青幻舎より発売される。
書籍概要
国境や文化など人間にまつわる「境界」をテーマにその曖昧さを表現しようと試みた前作『Boundary | 境界』がきっかけとなり、そもそも境界はどのようにして生まれるのかという疑問が生まれ、本シリーズの制作は始まった。
竹沢は中心と中心がぶつかったときに境界ができるのではないかと考え、「世界の中心は一体、どこにあるのか」という問いを提示するために、インドネシア、インド、ベナン、モンゴル、ペルー、日本の奥地、クック諸島を旅した。
それら7つのエリアはいずれも一般的にイメージされる中心地から遠く離れた、日本人の価値観や常識の範囲から外れた伝統や文化が根付く場所が選ばれた。
アニミズムとヒンズー教が融合した独特の祈りが根付いているインドネシア・バリ島で、年に一度、神々が地上に降臨することを祝う祭礼。
インド・ケララ州の小さな町の寺院で行われる、テイヤムというこの地方で古来より行われている神事。
ブードゥー教の儀式を探して旅したベナン共和国のヴォドゥン(神、精霊)を祝う儀礼。
モンゴル北部、ロシア国境付近の針葉樹林の中を、数百頭のトナカイを遊牧して移動する、ツァータンと呼ばれる人々。
ペルー・アンデス山脈。標高5000mを越える位置にある氷河まで3メートルほどの大きさの十字架を運び上げ、氷河が見渡せる場所で十字架を立て、母なる大地に祈りを捧げる巡礼者たち。
宮崎県椎葉村の銀鏡神楽から始まった、日本で生まれ育った竹沢がこの国の未知に触れた旅。
竹沢自身が4年ほど暮らし、世界の中心について考え始めるきっかけになったという南太平洋に浮かぶクック諸島で、伝統を重んじ笑顔を絶やさず幸せに暮らす人たち。
我々が普段生活している世界とは全く異なる風景のなかで、独自の価値観や伝統を大切にし、自然と密接に関わり合いながら生きている人々。
彼らの目線と対峙するとき、本書のテーマである「世界の中心」についての疑問が湧き上がる。
私たちが今立っているところが中心なのか、それとも、いわゆる“僻地”と言われる彼らが立つ場所が中心なのか。レンズ越しに対峙する彼らの真っ直ぐな瞳は、彼らこそが世界の中心なのだと無言のうちに語る。その瞳の前で我々の常識や固定概念は意味をなさず、私たちが信じていた中心が反転する。
至る所で分断が顕在化し、世界の秩序が崩壊しつつある今、私たちは竹沢が投げかける問いに向き合わなければならないのではないだろうか。
世界は我々を中心に回転しているのか、それとも彼らを中心に回転しているのか。私たちはいま一度、天動説と地動説の論争をやり直す時期に来ているのかもしれない。
——著者あとがきより
中心と中心がぶつかりあうとき、そこに境界が生まれる。
しかし、自身の中心を知り、他者の中心を尊重することができるのであれば、そこにある境界は消えてなくなる。
中心も境界も、幻想なのではないだろうか。
「Boundary | 中心」
発売:2026年2月中旬
書名: BOUNDARY | 中心
著者:竹沢うるま
アートディレクション:おおうちおさむ言語:一部和英併記
判型:A5変
総頁:384ページ
製本:並製
定価:6,600円(本体6,000円)
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竹沢うるま/Uruma Takezawa
1977年生まれ。
出版社スタッフフォトグラファーを経て、2004年独立。主な作品に、1021日103カ国を巡る旅の記録をまとめた写真集「Walkabout」(小学館)と旅行記「The Songlines」(小学館)、境界をテーマにアイスランドの大地を捉えた「BOUNDARY | 境界」(青幻舎)がある。2015年ニューヨーク・マンハッタンで開催された写真展「Land」は現地メディアに多く取り上げられ、評価を得る。
世界各地を旅しながら写真を撮り、主なテーマは「大地」。そこには大地の一部として存在する「人間」も含まれる。第三回ナショナルジオグラフィック写真賞グランプリ受賞。

第1章:撮影エリアや意味にとらわれず、2枚の写真を見開きで組み合わせて、ビジュアル的な魅力を追求したパート


第2章:7つのエリアで撮影した写真をエリアごとに構成したパート


第3章:7つのエリアの住人を撮影した、モノクロのポートレートで構成したパート









