「ことのは(Kotonoha)」井津由美子写真展が、iwao galleryで開催される。
開催概要
25年間過ごしたニューヨークを離れ、2021年に金沢に拠点を移してから初めての東京での個展になります。「浮かび上がるかすかな輪郭を写し取る」と語る井津は、新しい土地で暮らすなか、日常に潜む無意識の審美的感覚を繊細にとらえてきました。それは時に金沢で生まれ育った文豪・泉鏡花の持つ幻想的な世界へと迷い込むかのようです。プリントの美しさはもちろんのこと、唯美的な世界を切り取り、見えないものの存在を感じる静謐な視線が作品に宿ります。
本展は、新作30点を展示、金沢を拠点とする活動の契機になる個展となるでしょう。
ステートメント
《ことのは》は、いにしえより伝わる言葉の名残である。
それは単なる語彙や話し言葉ではなく、心の奥で芽吹き、形を得て世界に触れるものだ。木の葉が木と外界をつなぐように、《ことのは》もまた、人と人、人と世界を結んでいる。
私は、その葉が生まれる瞬間、あるいは風にほどけて消えゆく時を見つめている。
名づけられぬ感情や、触れれば消える記憶の断片がそこにある。
とどめようとせず見送り、浮かび上がるかすかな輪郭を写し取る。
写真はただ静かにそこに在り、語られなかったことばが葉のようにふわりと立ち上がる。この作品が、見る人の内に眠る想いの種に触れ、
新たな《ことのは》を芽吹かせるきっかけとなることを願っている。
井津由美子/Yumiko Izu
1968年大阪府生まれ。1998年、アメリカ・カリフォルニア州ブルックス大学写真学科を卒業後、ニューヨークで写真家としての活動を開始。大型カメラとプラチナ・パラディウムプリントといった伝統的な技法を用いた、静謐で詩的な作品で知られる。
2003年より《Secret Garden》シリーズの制作を始め、生の輝きとその終焉を「白(Blanc)」と「黒(Noir)」で対比的に表現した。同シリーズと《Faraway》を収録した写真集『Resonance』(2016 年)を出版。2017年からは鳥の巣や羽根をモチーフに、生命の脆さと再生を探る《Icarus》を東京、台北、バンコク、サンタフェ、パリなどで発表。2020年には、親交のあった写真家ソール・ライターのアトリエを撮影した写真集『Saul Leiter: In Stillness』を刊行し、東京・BOOKMARC で展覧会を開催した。
近年の活動として、2023年に渋谷ヒカリエで開催された森岡書店主催「ソール・ライター蔵書展」への参加、 2024年ベルギー・アントワープでの個展《Utsuroi》、2025年ベルギー日本庭園での二人展《Visual Poetry from Ishikawa》がある。
2007年にはニューヨーク州ウッドストックのセンター・フォー・フォトグラフィー奨学金を受賞し、作品はサミュエル・ドースキー美術館に収蔵されている。これまでアメリカ、ヨーロッパ、日本各地で多数の展覧会を開催。 2021年よりニューヨークから金沢へ拠点を移し、活動を続けている。
https://yumikoizu.com
https://www.instagram.com/yumiko_izu

《Kotonoha 88》Gelatin-Silver print 223×145mm 2024 ©Yumiko Izu

《Kotonoha 3》 Gelatin-Silver print 96×147mm 2024 ©Yumiko Izu
- ギャラリー名
iwao gallery
- 住所
東京都台東区蔵前2-1-27 2F
- 開館時間
12:00〜19:00(木・金・土)12:00〜17:00(日)月・火・水は休廊
- アクセス
都営浅草線 蔵前駅 A1出口 徒歩1分
- URL








