博報堂プロダクツのレタッチ部門「REMBRANDT(レンブラント)」の作品展「JAPAN」が開催された。
通常レタッチャーは、写真データを受け取ってから画像処理やレタッチを行うことが多いが、今回はクライアントワークではなく、「JAPAN」というテーマのもと、自ら企画・撮影し、レタッチすることで、入り口から最終フィニッシュまでレタッチャージ自身が手掛けた。展覧会は終了したが、編集部で気になった作品を何点か紹介する。
ふと、そこに日本がある。
2020年緊急事態宣言中、世の中の動きと同様弊社も在宅勤務になり
REMBRANDTレタッチャーも自宅にPCを持ち帰り業務に対応しました。
この先どうなるかわからない不安な状況の中で、何もせず、ただ時を待つにはあまりにも時間があり、
ものを創れないフラストレーションが募るばかりでした。
自分たちがやってきたことをもう一度見直し、未来に向かって何かできないか
ふつふつと考えた結果、原点に戻り、クリエイターとして単純に何かを創ろうと思いました。
REMBRANDTは個々で別々のテーマで今までも作品制作に取り組んで来ましたが、
それぞれの自分らしさが出る共通テーマで挑戦してみました。
「JAPAN」というテーマは、海外にも行けない状況の中で身近にある普遍的なテーマは何かと考えた際に、
みんな日本が好きという想いがありこのテーマにしました。
レタッチャー18人がそれぞれ考える「JAPAN」です!
これからも私たちは自ら作品を制作し、自分たちの修練の為にも世の中に発表していきます。

柿沼周史「回路JAPAN」
密度のある小さな世界で、システマチックに動いているように見える日本の俯瞰のイメージを回路と風景写真を合成することで表現した。
無秩序に見える人の動きや車の動きも、全体で見ると社会の流れに合わせて リズムを持って動いていた。


石井幹也「和柄動物」
日本の伝統的な模様「和柄」。
奈良時代に随や唐から伝わり日本独自の文化や流行が融合してできたとされる。そんな和柄が当たり前のように現存しているのは、⽇本⼈の潜在的な美的感覚に訴えかける何かを秘めているからではないだろうか。今回は「未来永劫と平和な暮らしへの願い」という意味を持つ「青海波」と「射った弓は出戻らない」という意味から縁起柄とされる「矢絣」を動物の柄に合成しグラフィックに落とし込んだ。
和柄の魅⼒に今⼀度⽬を向けるきっかけになってくれたら嬉しい。


波多野 明「Beautiful Bottle」
日本独自のモノ。一升瓶。
普遍的で完成されたデザインと言われる一升瓶の美しい形状は山や海が織り成す美しい日本の原風景と何処かで連鎖しているのではないだろうか。
懐かしい風景を回想しつつグラフィカルに表現してみた。


羅 浚偉(ラ シュンイ)「和傘ランド Wakasa_Land」
和傘、温泉、妖怪など⽇本⽂化独特な記号要素を、
ややレトロ⾵に、不思議な都市風景を創りだしました。


展示風景


- 展覧会場
博報堂プロダクツ本社 フォトクリエイティブ事業本部 フリースペース
- 住所
東京都江東区豊洲5-6-15 NBF豊洲ガーデンフロント 1F
- 開館時間
13:00〜19:30(最終入場:18:30) ※土日、祝日も入場可能。
- アクセス
東京メトロ 豊洲駅 徒歩7分
- URL