山内悠「惑星」が、入江泰吉記念奈良市写真美術館で開催されている。
紹介文
山内悠は、自然の中に長期間滞在し、自然と人間の関係性を見つめることで、世界について探求している写真家です。本展で発表される「惑星」は、2014年から毎年モンゴルに通う中で撮影されたシリーズです。
山内は、自然と人間が調和した世界を求めて旅をはじめ、モンゴル全土、内モンゴル自治区をめぐりました。旅を終えたあと、現像した写真にあらわれた光景を見た山内は、時間や空間を飛び越え、異なる世界を行き交うような旅をしていた事に気がついたと言います。
富士山で600日間を過ごし、宇宙と地球のあいだを行き来し、絶対的な世界を捉えた前作 『夜明け』の作品から、今作では「いま」というときの中で並行して存在する相対的な空間と時間をへの旅を提示しています。
地球の創生を思わせる鉱物の世界、自然と動物とが共存する原始的な暮らしを営む遊牧民のポートレート、現代の文明を享受する都市のスナップ。そして、どこか既視感のある未来を彷彿とさせる砂漠のランドスケープ―。
本展では山内がモンゴルで出会った、今、この瞬間に隣り合わせに存在しているこれら多元的な世界を、新作プリント約70点によって表現します。それぞれの場所や個人が形成する 相対的な現実の中で、何を選び、どう在るか…
作品に現れた光景たちは、私達に「いま」という時のあり方を語りかけてくれるかもしれません。
写真集『惑星』
発売:2020年8月
著者:山内悠
アートディレクション:近藤一弥
判型:A4 総頁:150頁
予価:本体5,000円+税
発行:青幻舎
http://www.seigensha.com/
山内 悠
1977年、兵庫県生まれ。長野県を拠点に国内外で作品を発表している。独学で写真をはじめ、スタジオフォボスでのアシスタントを経て、富士山七合目にある山小屋滞在中に撮り続け制作した作品『夜明け』(赤々舎)を2010 年に発表。2014年には、山小屋の主に焦点をあてた山小屋での日々を著した書籍『雲の上に住む人』(静山社)を刊行。2020年、5年をかけて撮影し続けたモンゴルの写真をまとめた『惑星』を出版。
http://www.yuyamauchi.com/
- ギャラリー名
入江泰吉記念奈良市写真美術館
- 住所
奈良市高畑町600-1
- 開館時間
9:30〜17:00(最終入館16:30)一般500 円/高校・大学生200 円/小・中学生100 円
- アクセス
奈良交通バス1番 「破石町(わりいしちょう)」下車 徒歩8分
- URL