テリー・オニール 追悼写真展 「Terry O’Neill : Every Picture Tells a Story」が、ブリッツ・ギャラリーで開催される。
なお、本展は新型コロナウイルス感染防止対策を行った上で、完全予約制での開催となる。
紹介文
テリー・オニールは、当ギャラリーで過去に何度も写真展を開催している思い出深い写真家です。ギャラリーが広尾にあった1993年に「TERRY O’NEILL : Superstars of 70s」、目黒に移ってからは 「50 Years in the Frontline of Fame」(2015年)、「All About Bond」(2016年)、「Rare and Unseen」(2019年)を行っています。2015年には写真展に合わせて初来日を果たしました。
かつて有名人を撮影したオリジナル・プリントは、ブロマイド写真と同じでアート性が低いと考えられていました。しかし世の中の価値観が大きく変化し、写真家と被写体との間に強いコミュニケーションがあった上で撮影されたポートレート系作品のオリジナリティーが認識されるようになりました。いまそれらは作家性が反映されたアート表現だと考えられ、大手のアート写真オークションでも頻繁に取引されています。テリー・オニールは、この分野における先駆者だったといえるでしょう。2019年に本人が亡くなったことで、オニールの作品相場は上昇傾向です。特に代表作「Brigitte Bardot, Spain, 1971」などの大判サイズに人気が集まっています。
テリー・オニールは、大型カメラによるスタジオ撮影が主流だった時代に、携帯可能な35mmの小型カメラで、当時のポップ・カルチャー・シーンを全く新しいドキュメンタリー・スタイルで撮影します。1960 年代、彼は音楽、映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけて、自らのスタイルで撮影し、時代の気分も作り上げていきます。
彼はザ・ビートルズとザ・ローリング・ストーンズを新聞と雑誌のフロントページで紹介した最初の写真家となります。 その後、オニールの才能は、米国映画界でも高く評価され、フランク・シナトラ、オードリー・ヘップバーン、ラクエル・ウェルチ、ポール・ニューマン、エリザベス・ テイラーなど、多くのハリウッド・スターを撮影します。アルバム・カバー、映画ポスター、ファッションとともに、タイム、ライフ、ヴォーグ、パリ・マッチ、ローリング・ス トーンなどの世界的な雑誌、新聞の仕事を行います。またショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで、約50 年に渡り007・ジェームス・ボンド映画の写真を撮った唯一のカメラマンとしても知られています。 1990年には、バッキンガム宮殿での英国エリザベス女王のオフィシャル写真撮影を依頼されます。このような約60年以上に渡る広範囲の分野での活躍により、彼は戦後の民主的社会をポートレート写真で定義してきた写真家だと言われています。
長年の功績が評価され、2011年に英国王立写真協会より Centenary Medal授与、2019年には、英国皇室よりCBE(大英帝国三等勲爵士、司令官)勲章が授与されています。
本展ではテリー・オニールの約60年以上にわたる長いキャリアの中から、ブリジッド・バルドー、オードリー・ヘップバーン、フェイ・ダナウェイ、エリザベス・テイラー、ポール・ニューマン、ショーン・コネリー、ロジャー・ムーア、ケイト・モス、ナオミ・キャンベル、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、デヴィット・ボウイなどを撮影したベスト作品約30点(モノクロ/カラー)を展示する予定です。すべて生前に制作され、本人のサインが入った貴重な作品(ライフタイム・プリント)の展示となります。本展をきっかけに、多くの人がセレブリティーたちの数多くの代表イメージは、実はオニール撮影だったという事実を発見できると思います。
- ギャラリー名
ブリッツ・ギャラリー
- 住所
東京都目黒区下目黒6-20-29
- 開館時間
13:00~18:00(月・火休廊)入場無料・完全予約制
- アクセス
JR目黒駅からバス、目黒消防署下車徒歩3分 / 東急東横線学芸大学下車徒歩15分
- URL