PGI Summer Show 2019 “monoとtone”が、PGIで開催される。
紹介文
美術の歴史において、工業製品の技術の進歩は、表現の可能性の拡大に大きく寄与してきました。とりわけ、写真は、技術と表現が非常に密接で、技術の変化、革新に、大きく影響を受ける分野です。
1839年にダゲレオタイプが発明されてから今年で180年。それからおよそ100年後の、1940年代にカラーフィルムが実用化されましたが、保存性や表現性の観点から、作品に用いられることは稀で、写真家が表現の手段としてカラーフィルムを手にしたのは、1970年代のことでした。現在では、デジタルでの撮影や、インクジェットでのプリント制作における保存性もある一定のレベルに達し、多くの写真家がデジタルによる作品の発表を行なっています。本展では、ポートフォリオレビューなどで出会った、才能ある若手写真家の作品を、グループ展としてご覧いただきます。
画家が絵筆や絵の具を選ぶように、写真家も、現代の充実した選択肢の中から、自身が表現するための材料や手法を選びます。ある作家は、魅力的な被写体と出会った時に、モノクロを選びながらも、カラーでなければ写らない、と諦めることがあると言います。またある作家は暗室での作業の身体性に言及し、ある作家は影響を受けた写真家から受け継いだ、ごく自然な行為としてモノクロのフィルムを手にしています。シリーズによって、カラー作品とモノクロ作品の両方を、使い分ける作家もいます。白と黒、その間にある無数のトーンで表現された作品を、是非お楽しみください。
出展作家
小島康敬(こじまやすたか)
1977年東京都生まれ。2006年に渡米。現在はベルリンを拠点に作品制作を続ける。
ICPのDirector’s Scholarshipを受賞、平成23年度文化庁・新進芸術作家海外研修制度研修員。
2016年、日本の新進作家vol.13 東京・Tokyo(東京都写真美術館)に参加。
国内外問わず、個展、グループ展を開催。
嶋田篤人(しまだあつと)
1989年千葉県生まれ。2011年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学時より、房総半島を撮影。塩竈フォトフェスティバルポートフォリオレビュー特別賞受賞。ゼラチンシルバーセッションフォトアワードグランプリ、東川町国際写真フェスティバル準グランプリ。
田山湖雪(たやまこゆき)
1987年静岡県生まれ。東京造形大学卒業後、伊勢に、移住し作品を制作。現在は東京と静岡を行き来している。特定の場所の風土に触れ、その土地の持つ歴史や性格を丁寧に写しながら、作品を制作している。
西岡広聡(にしおかひろとし)
1982年神奈川県生まれ。2003年にイタリアミラノのIstituto Europeo di Design Milano KSKにて建築や家具デザインを学び卒業。2010年より、東京都を拠点に作品制作を行う。
平本成海(ひらもとなるみ)
東京都在住。2017年よりグループ展などで写真作品を発表。2019年第20回写真「1_WALL」グランプリ受賞。
- ギャラリー名
PGI
- 住所
東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
- 開館時間
月〜金/11:00〜19:00 土/11:00〜18:00 日・祝日 展示のない土曜日休館
- アクセス
東京メトロ 神谷町駅 徒歩10分 都営大江戸線 赤羽橋駅 徒歩7分
- URL