安永ケンタウロス個展「水辺の肖像 waterside portrait」が、LIGHT BOX SATELLITEで開催される。
開催概要
2025年8月30日より、東京・青山に位置する「LIGHT BOX SATELLITE」にて、写真家・安永ケンタウロスの個展『水辺の肖像 waterside portrait』を開催いたします。同展は現在、住まいを構える北海道・東川町でフライフィッシングも楽しむ安永のライフワークである、主に川や湖といった自然の水が時々で見せた瞬間、肖像(=ある特定の容貌)の写真を厳選し、構成したものとなっています。
あるひとつの少々古びている、けれどもおそらく確かな定義があります。「絵画は、ひとつひとつの作品が唯一の、手作りの原作」。それに対して「写真は模倣芸術の中では一番写実的で、したがって手軽なもの」。これは1979年に日本で初版が刊行された、スーザン・ソンタグ著の『写真論』から抜粋したものです。この、“作品”である“絵画”と“手軽なもの”である“写真”の根本的な乖離を埋め、模倣、複製、消費が前提にあるとも言える写真表現を“特定”とするための安永にとっての術は、プラグマ(=「Pragma」、意訳すれば「移動、行動」)なのではないかと考えられます。
今回展示される写真にはそれぞれ、フォーカスされている水の温度、その場所の緯度経度の数値が明記されています。安永は「(厳選された写真群に)企図や目的は全くない」と話しており、数値/写真自体に特別な意味は内包されていません。
しかし、ふたつとない数値の羅列、組み合わせは安永が直に感じた水の冷たさ(いや、むしろ温かさなのかもしれない)、種々の水辺を歩いた特定の軌跡の記録であり、歩くという不変/普遍的な移動、行動、または感覚こそが彼にとって重要であること。または、失われつつある人間生来の「不変/普遍」に対する憂いなどの安永が日頃抱いているだろう心情を感じさせます。
そうして撮られた“容貌”は実に写実的でありながら多面的であり、他の言葉や事象による形容を避けられないほどのダイナミズムを獲得しています。
水の深さと底にあるもの、流れ方と速度、風、時刻と太陽の位置、その光を時に遮り、時に乱反射させる周辺物。安永の移動、行動、感覚に加え、これらの二度と訪れることのない環境の微差が、名づけようもない
「水辺の肖像」ひとつひとつにさらなる“特定”の条件を与えていくのです。
ステートメント
たゆまなく流れる水。
ぶつかり、はじけ、つつまれてはもどり、くりかえす。
変幻自在に身を染め、手をとりあう。
あらゆる情報の器。
人の水分量は、年齢とともに変化する。
その量によってみえるもの、感じるものは変化するだろう。
水辺の表情に自己投影した光や影の存在をみることがある。
それが語りかけてくるものは、あなた自身の心の声なのかもしれない。
今回、北海道を中心にまとめた
水辺の肖像。
どうぞ、心を澄ませてご高覧いただけると幸いです。
制作協力=SEMPRE DESIGN Co,.Ltd.
デザイン=曽根優 (nanou inc.)
制作=日野裕介 (nanou inc.)
会場構成=村山圭 (virt.)
会場音楽=隅祐輔 (WATARIGARASU)
安永ケンタウロス/Kentauros Yasunaga
フィリピン生まれ。株式会社アマナに入社したのち、2015年にフリーランスとして活動を開始。2020年、kKkK inc.設立。広告をメインに雑誌や書籍の撮影も手掛ける。交通広告グランプリ、サインボード優秀作品賞を受賞。日経産業新聞広告賞 情報・エレクトロニクス部門賞。日経BP広告賞優秀医療広告賞。毎日広告デザイン賞優秀賞。 D&AD In Book賞など、受賞多数。これまで手掛けた作品集に、『デザイン物産展ニッポン』『Sony Design:Making Modern』『GAJOEN』『iro』など。
https://www.kentaurosyasunaga.com
https://www.instagram.com/kentauros1669

WR_#002_11°C 43°36'10.5"N 142°53'53.5"E

WR_#004_14°C 42°41'09.8"N 142°36'00.0"E

W_#033_13°C 43°38'00.3"N142%1'32.0"E

WR_#010_14°C 43°37'48.2"N 142°38'17.1"E
- 会場
LIGHT BOX SATELLITE
- 住所
東京都港区南青山5-15-9 フラット青山101
- 開館時間
11:00〜19:00 ✳会期中無休(入場無料)
- アクセス
東京メトロ 銀座線 表参道駅下車 B1出口 徒歩8分
- URL