TOPNEWS & REPORT稲垣徳⽂写真展「Blue Period」

#NEWS & REPORT 稲垣徳⽂写真展「Blue Period」

2024年8⽉2⽇〜 8⽉31⽇

稲垣徳⽂写真展「Blue Period」

稲垣徳⽂写真展「Blue Period」が、ギャラリー冬青で開催される。

ステートメント
世界初の写真集といわれる『⾃然の鉛筆』の「植物の葉」を⾒つけたのは昨年の春のこと。探しはじめて2年あまりそれは⾃宅近くの街路樹の根元に⽣えていた。早速、枝葉のひとつを持ち帰りフォトジェニックドローイングを始めた。
サイアノタイプのシンプルな⻘と⽩の造形。光の作⽤により物の形が紙の上に定着される過程には期待感と驚きがある。180年前、アナ・アトキンスが海藻の標本をプリントして以来、基本的な作法は変わらない。
⽩いシルエットに浮かぶ葉脈は幾何学模様のように美しい。
この、サイアノタイプ独特のプルシアンブルーの⻘は⽇本語では紺⻘と表記される。絵画の染料として北斎や広重の浮世絵にも⽤いられたことからEdo Blueとも表現される。
ゼラチンシルバープリントが発明される以前、サイアノタイプは19世紀におけるポピュラーな写真技法のひとつだった。鶏卵紙に⽐べるとコントラストが⾼く、卵⽩やゼラチンなどの塗布層を持たないため⽤紙のテクスチャーそのままにマットにプリントされる。あらためて⼤型カメラで撮影したパリの街並みやニセフォール・ニエプスのアトリエの⾵景をサイアノタイプにプリントした。
英国南⻄部のレイコックを訪れたのはそれから三ヶ⽉後のこと。
ヘンリー・フォックス・タルボットが残した「植物の葉」の⼦孫たちは村を流れるエイボン川沿いに茂っていた。「植物の葉」は⽩い⼩さな花を咲かせる。
タルボットは⽐較的若い枝葉を選んでプリントしていたようだった。

※アナ・アトキンス:イギリスの植物学者。1842年にサイアノタイプを使った海藻の標本集を出版。
※「植物の葉」:セリ科シャク属の多年草。和名「芍」シャク。英名「Wild Chervil」ユーラシア⼤陸東部からヨーロッパ東部まで広く分布する。⼭地の⾕間から林の中など少し湿った場所に群⽣する。セリ科特有の⾹りがあり葉は⾊鮮やかな緑⾊。茎は直⽴し200cmほどに成⻑する。

トークショー
日時:8⽉9⽇(⾦)19:00〜20:30(要予約)
出演:森⾕修(写真家)× 稲垣徳⽂(写真家)

稲垣徳⽂
1970年 東京都⽣まれ。
法政⼤学社会学部卒業。 在学中より宝⽥久⼈⽒に師事。 朝⽇新聞社『AERA』嘱託カメラマンを経てフリー。

ギャラリー名

ギャラリー冬青

住所

東京都中野区中央5-18-20

開館時間

11:00~19:00 日・月・祝日休廊・5月4日は開廊(入場無料)

アクセス

東京メトロ 丸ノ内線 新中野駅 徒歩5分

URL

http://www.tosei-sha.jp/

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