澤 寛 写真展「Heavens of Light, Planet of Solitude -ある星、地上の孤独- 」が、ALで開催される。
紹介文
澤 寛は昨年「Rapture」を同ギャラリーで発表、同名の写真集を刊行し、京都大学・吉田寮を撮影した作品「Polish」をAL(東京)と京都・旧立誠小学校内立誠図書館壁面にて展示するなど、精力的に活動を続けています。
本展では、澤が近年撮りためたスナップ数千点の中からセレクションした作品を展示します。東京の街並みや海外の風景、ポートレートや建築物が抽象画のようなカットとして本作品群に収められています。それはまるで異なる人物が撮影したかのような多面的な表情を見せ、視界に一瞬映った違和感を逃すことなく本能的に捉えることで、実像と虚像、その場に在る過去と未来の気配を浮かび上がらせます。そして澤寛の鋭利な視線により紡がれた《今》の連続は、いつか起こりうる未来という名のもう一つの《現実》を私たちに想起させるのです。
澤が幼少期に見た「光」から紡がれる物語、「変わりゆく景色のなかに世界を見た」かのように切り取られた一瞬と風景が立ち並ぶ展示は、鑑賞者自身のいつかの記憶と重なり、さまざまな感覚と対峙する空間となることでしょう。
ステートメント
光は138億年前に放たれた。
そして46億年前に放たれた光にぶつかることで輝きを続け
世界はその光でつくられてきた。
世界は虚像であった。
ただそこに在ればよかったのだ。
しかし、光に捕まり実像をなす。
人はその光を身体に通し
世界を眼に映すことで現実を疑い
ついにはその光さえも疑い
眼に映らぬ空想さえも否定し
世界を覆そうと自ら光を作り始めた。
その光が空を濁らせ
濁った空が私の心を蝕み
眠りを忘れた私には世界が架空のものに映っている。
それでも、私は世界を信じた。
この世界の未来を探しに出かけたのだ。
ギャラリートーク
日時:5月12日(日)19:00〜20:00
事前予約あり。詳細はhttp://www.al-tokyo.jp/ にて
登壇者:澤 寛、鷹野隆大(写真家)
澤 寛
1984年神奈川県生まれ。美術大学在学中より映画製作の現場に携わり、2018年より澤寛名義にて写真家として活動を開始。同年、写真作品「Rapture」の発表、NHKドラマ『ワンダーウォール』のビジュアルディレクターとしてスチールを撮り下ろし、写真集『ワンダーウォール』を出版。京都大学吉田寮を撮り下ろした「POLISH」をAL ( 東京 )、京都旧立誠小学校内立誠図書館壁面にて発表。2019年4月12日より5月12日までhaku(京都)にて開催中のKYOTOGRAPHIEサテライトイベント KG+では写真作品「Rapture」を出展するなど精力的に写真家としての活動を続けている。
澤田石和寛名義では映画『るろうに剣心』シリーズやau KDDI TVCM 三太郎シリーズのキャラクターデザインで知られ、映画『十三人の刺客』(2006年)、映画『パンク侍、斬られて候』(2018年)にてアジアンフィルムアワード ベストコスチュームデザイナーに二度ノミネートされている。

Kan Sawa, Untitled from the seires of Heavens of Light, Planet of Solitude © Kan Sawa 2019





- ギャラリー名
AL
- 住所
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 1F
- 開館時間
12:00~19:00 会期中無休 入場無料
- アクセス
東急東横線 代官山駅 徒歩5分
- URL