市ノ川倫子「遠い聲」が、金柑画廊で開催される。
開催概要
市ノ川は、これまで多重露光やブリコラージュなどの写真の手法を用い、遠い記憶や幼少期の空想の世界を表現してきました。本展「遠い聲」では、壊れていく古いトイカメラを使って撮影された作品群を展示いたします。市ノ川は、実家の物置に埋もれていた古いトイカメラを譲り受け、近所を散歩をした時などに、そのカメラでスナップを撮影をしていました。そのうちにカメラは徐々に壊れてゆき、だんだんと図像を結ばなくなり、記録としてのカメラの機能は形を変えて、ただ時間と光の記録だけを残すようになりました。壊れゆくカメラは、その時間と光を写し出す、写真の本質そのものとなり、市ノ川が見つめ続ける時間の断片と消えゆく記憶を写していきます。儚くも確かに存在していたことが、彼女にとっての証となり、立ち現れてきます。
同時期に、ソニーイメージングギャラリーにて開催される個展では、デジタルカメラで撮影した多重露光の作品群が展示されます。フィルムとデジタルという、それぞれの手法で表現される市ノ川倫子の世界をご堪能いただける機会となっております。併せてご高覧ください。
ステートメント
あふれる
あふるる
世界を満たす
光が
飽和して
溶けて流れていく
一切を飲み込んで
壊れていく
消えていく
ことは
悲しいことなのかと
繰り返し
尋ねられているようで
すべてが終わって
しまったとしても
その瞬間の美しさだけが
残響となって
確かな余韻がそこにある
市ノ川倫子(Tomoko Ichinokawa)
2013年より写真を撮り始める。どこかで見たことのある遠い記憶、子供の頃の空想や絵本のページの中の世界など、心の中を写真で映し出すように作品を制作している。主な個展、“blurs.”(2022年、金柑画廊、目黒)、“JARDIN”(2021年、ナインギャラリー、外苑前)、“PRESAGE”(2020年、ギャラリー子の星、代官山)、「しのぶれど」(2020年、OM SYSTEM PLAZA[旧オリンパスプラザ東京]、新宿)等。
https://www.tomokoichinokawa.com/home
https://www.instagram.com/tomocco.12
同時期個展情報
市ノ川倫子作品展「Even if the sky cracks and lies drop」
会場:ソニーイメージングギャラリー
期間:2024年7月5日〜7月18日(11:00〜19:00 *会期中無休)
URL: https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/
- ギャラリー名
金柑画廊
- 住所
東京都目黒区目黒4-26-7
- 開館時間
12:00〜19:00 開廊日:木、金、土、日(祝祭日)
- アクセス
東急東横線 祐天寺駅 徒歩17分/目黒駅西口より東急バス 元競馬場前または目黒消防署 下車 徒歩3分
- URL