#NEWS & REPORT 川田喜久治 作品展「ロス・カプリチョス あしたのデーモン」

川田喜久治 作品展「ロス・カプリチョス あしたのデーモン」が、PGIで開催される。

開催概要
「ロス・カプリチョス」シリーズは、ゴヤの銅版画集「ロス・カプリチョス」に影響を受けた川田が、 1972年に『カメラ毎日』で同名タイトルの連載を始め、その後も写真雑誌で散発的に発表してきたものです。 写真集などにまとめられることはありませんでしたが、 2017年に始めたインスタグラムを契機に、「ロス・カプリチョス－インスタグラフィー2017」(2018年)、「ロス・カプリチョス 遠近」(2022年)と本作「ロス・カプリチョス あしたのデーモン」と、近年改めて「ロス・カプリチョス」というタイトルを冠した作品の発表を続けています。

本作「ロス・カプリチョス あしたのデーモン」は、インスタグラムに投稿している作品の中から、街でのスナップ、雲、月を被写体としたものが軸になっています。川田は、「常に社会的な雰囲気に影響を受けている」と語っているように、東日本大震災、コロナウイルスパンデミックと、常に時代に漂う閉塞感を作品に写し出してきました。刻一刻と姿を変える雲と、理性の眠る闇に光る月の中に、今の社会を投影し、また、これまでさまざまな作品で強い印象を残してきた車窓からの光景が、本作ではさらに執拗さを持って観る者に迫ります。自身の感覚の中に時代の論理を見る、川田の極めて個人的な視座が捉えた時間と世界は、如何にして観る者の世界にシンクロしていくのでしょうか。
本展ではアーカイバルピグメントプリント約40点を展示予定です。

同時開催
川田喜久治「見えない地図」／KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024
2024年4月13日〜5月12日
Supported by SIGMA
京都市京セラ美術館 本館 南回廊 2階
https://www.kyotographie.jp

川田喜久治 （かわだ きくじ）
1933年茨城県に生まれる。1955年立教大学経済学部卒業。『週刊新潮』の創刊（1956年）より、グラビア等の撮影を担当。 1959年よりフリーランス。「VIVO」設立同人（1959〜61年）。近年の主な個展に「世界劇場」東京都写真美術館（東京 2003年）、「地図」PGI （東京 2004年）、「The Last Cosmology」Michael Hoppen Gallery（ロンドン 2014年）、「百幻影-100 Illusions」キヤノンギャラリーS（東京 2018年）、「Los Caprichos」L. PARKER STEPHENSON PHOTOGRAPHS（ニューヨーク 2020年）、「『赤と黒』 Le Rouge et le Noir」リコーイメージングスクエア東京（東京 2020年）、「エンドレス マップ」PGI（東京 2021年）、「地図」The Third Gallery Aya（大阪 2022年）、「ロス・カプリチョス 遠近」PGI（東京 2022年）、「Vortex のために」 PURPLE（京都 2022年）、「ロス・カプリチョス 遠近」コミュニケーションギャラリーふげん社（東京 2023年）がある。グループ展多数。作品は東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、テート・モダン、ボストン美術館などにコレクションされている。