八木清作品展「ツンドラの記憶」が、PGIで開催される。これは同名の新刊に合わせた連動企画展。
展覧会概要
八木清は、極地探検家で人類学者であるクヌート・ラスムッセンが20世紀前半に採集した、魔法の言葉や古老たちの言葉、伝承や歌、詩を紐解き日本語に翻訳してきました。この度、これらの翻訳をまとめた書籍『ツンドラの記憶――エスキモーに伝わる古事』の刊行に合わせ、言葉と写真を合わせた作品展を開催致します。
ステートメント
「はじめに、闇があった。大地も見えなく、生き物の姿も見えなく、すべてが闇の中にあった。それでもなお、世界には人や生き物が暮らしていたが、彼らのあいだに区別はなかった。人間が動物になったり、動物が人間になったりするような、混沌たるありようだった」
これは極北の狩猟民エスキモーに伝わる創世にまつわる話からの一節である。彼らの伝承や歌、詩には、混沌とした世界を少しでも人間的な領域へ還元しようと奮闘する、いにしえの人々の息遣いが宿る。そんな物語や言説が世代を超えて口承によって伝えられ、彼らの精神世界と文化を形作ってきた。その世界では、あらゆる自然物や生き物、そして精霊たちが、原初の頃よりともに在るものとして了解されているのである。
荒涼としてあらゆる生命を拒むかのような極北の風景にも有史以前から人間の暮らしがあり、数多の語られざる歴史が秘められている。狩猟民たちのその遠い記憶の一端を、写真と彼ら自身の言葉で紐解く。
ツンドラの記憶ーーエスキモーに伝わる古事
編訳・写真:八木清
出版:閑人堂(1月刊行予定)
仕様:A5変形・上製・112ページ
価格(予価):2,640円(税込)
八木清
1968年長野県生まれ。1993年アメリカ、アラスカ州立大学フェアバンクス校ジャーナリズム学部卒業後、写真家水越武氏に師事すると同時に、極北の先住民族エスキモーとアリュート、そして彼らを取り巻く極北の自然の撮影を始める。
2004年日本写真協会新人賞受賞。2005年準田淵行男賞受賞。
- ギャラリー名
PGI
- 住所
東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
- 開館時間
月~土 11:00~18:00 日・祝日休廊
- アクセス
東京メトロ 神谷町駅 徒歩10分 都営大江戸線 赤羽橋駅 徒歩7分
- URL