2024年キヤノンカレンダー 竹沢うるま写真展 「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」が、キヤノンオープンギャラリー1で開催される。
開催概要
本展は、写真家 竹沢うるま氏による写真展です。氏が撮影を担当した2024年キヤノンマーケティングジャパン・カレンダー「World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて」を飾る作品12点を含む、計49点を展示します。
キヤノンマーケティングジャパン・カレンダーは2018年より世界遺産をテーマにしており、今回で第7回目となります。昨年に引き続き撮影を担当されたうるま氏は今回も知床、白神山地、小笠原諸島、屋久島などといった自然遺産を中心に、四季にあわせて日本の世界遺産を訪ねながら1年かけて撮影しました。繊細で多様な季節の移ろいを切り取った作品群を、阿波和紙にプリントします。
作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし、展示します。
ステートメント
今年の世界遺産の撮影は、近年の地球規模の自然環境変動に起因する不安定な天候に苦労し、多くの変化を感じる一年であった。
撮影を開始した春、「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野本宮大社大斎原にある樹齢数百年を超す枝垂れ桜の撮影に赴くと、そこにその老木の姿はなかった。冬の間に強風によって折れてしまったとのことだった。その後に訪れた白神山地では、ブナ林の長老「400年ブナ」が、記録的な大雪の結果、その重みに耐えられずに倒れてしまっていた。数百年にわたって続いてきた命の終わりの瞬間に、連続して立ち会うことになるとは思ってもみなかった。
竹沢うるま
そのためだろうか、今年の撮影は生命の存在を強く意識する時間であった。西表島のサガリバナが咲く瞬間の甘い匂い。白神山地のブナの新緑が放つ瑞々しい輝き。海の水を伝わって聞こえてくるクジラの親子が歌う命の歌の響き。それらは自然の生命力が目に見える形で発露する瞬間であり、そのひとつひとつに向き合い、撮影を行った。
旅の最後、私は冬の屋久島にいた。撮影機材と一週間分の食料、テントなどを背負い、大寒波による雪に覆われた山を登った。目当ての場所に辿り着くと、あたりは厚い雲に覆われ、何も見えなかった。撮影最終日、それまで山を覆っていた雲が風に流され、突然視界が開けた。そして正面に山の神のような威厳を備えた障子岳の山頂が、夕空を背景に現れた。一通り撮影を終えると、それを待っていたかのように雲が山を覆い、視界は再び閉ざされた。
すべての撮影を終え、山を降りる日。湿った森の匂いが漂い、あたりは生命の息吹に満ちていた。それはまるで自然に抱かれているような感覚であり、この一年の撮影で過ごした日々を象徴するような時間であった。
- ギャラリー名
キヤノンオープンギャラリー1
- 住所
東京都港区港南2-16-
6 - 開館時間
10:00~17:30(日・祝休み)
年末年始休廊:2023年12月29日~2024年1月3日- アクセス
JR 品川駅 港南口 徒歩8分
- URL
https://canon.jp/personal/experience/gallery/schedule/shinagawa