森⾕修 写真展「この道の⾏く先に」が、ギャラリー冬青で開催される。
ステートメント
多摩川の左岸。
東京と神奈川の境、海からちょうど 10km ⼊ったあたりが私の地元だ。
かつては⼤きな⼯場が⽴ち並び、その先には遊園地やレース場、古墳、巨⼈軍のグラウンドもあった。
なかでも私が⼩さい頃から慣れ親しんでいたのが、多摩川の⼟⼿。
あまり⼦どもと遊ぶことがなかった無⼝な⽗親と、
早朝にキャッチボールをした思い出の場所である。
やがて社会に出て仕事⼀辺倒になると、そこは急⾏電⾞で通り過ぎるだけになっていた。
再びそこが特別な場所になったのは、⾃分が⽗親になってからだ。
保育園の送り迎えで13年間、⼦どもと朝⼣この⼟⼿を歩いた。
幼き我が⼦と眺めた⼣焼け空が⼼に沁みるのだった。
多摩川周辺は今も、新しいカメラやレンズを買えば、
⾃転⾞を⾶ばして試し撮りをしに⾏くホームグラウンドでもある。
かけがえのない我が故郷だ。
川の流れは、時の移ろい。
この地で私は、いつも未来を⾒つめていた。
この道の⾏く先に、まだ⾒ぬ何かがあると信じて。
森⾕ 修
1965年 東京⽣まれ。
1988年 ㈱東北新社・CM撮影部。
1995年 独⽴ 森⾕修写真事務所、設⽴。
「祈り」― 古代から今に続く暮らしや信仰のあり⽅、その痕跡を追い求め、モノクロームで表現している。
「祈りの原⾵景」シリーズと位置づけ、第⼀弾として海を渡りし⺠族に思いを馳せた「沖縄・珊瑚の記憶」を2004年に発表。翌年2005年には信仰と暮らしが寄り添うバリ島の⽇常を捉えた「バリの祈り」を相次いで発表した。2018年、「祈りの原⾵景」シリーズの集⼤成として作品集「み熊野の」をまとめる。⼀千年の保存が可能なプラチナプリント制作し熊野本宮⼤社・創建2050年の年に作品全12点を奉納した。
- ギャラリー名
ギャラリー冬青
- 住所
東京都中野区中央5-18-20
- 開館時間
11:00~19:00 日・月・祝日休廊(入場無料)
- アクセス
東京メトロ 丸ノ内線 新中野駅 徒歩5分
- URL