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#NEWS & REPORT 井津建郎作品展「BLUE」

2023年11月22日〜2024年1月13日

2023.10.27

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井津建郎作品展「BLUE」

井津建郎作品展「BLUE」が、PGIで開催される。

開催概要
PGIでは二回目となる、井津建郎の作品展「BLUE」を開催致します。
井津建郎は、約40年にわたり、祈りや、人間の尊厳をテーマに、世界の石像遺跡などの聖地やそこに生きる人々を14×20インチの超大型カメラで撮影してきました。プラチナ・プリントによるその作品は多くの人を魅了し、世界的に高い評価を得てきました。
本展「BLUE」は、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』によって、陰影のうちに美を見出す日本人の美的感覚に気付かされた井津が、自らのアイデンティティを再認識し、撮影を始めたシリーズです。舞踏ダンサーをモデルに〈存在〉を表現した「Body」と、静物や、枯れた草花に美を見出した「Still Life」から構成された作品は、作者が敬愛するピカソの「青の時代」(1901年~1904年)へのオマージュとしてその 100年後の2001年から 2004年に制作されました。14×20インチの大型カメラで撮影したネガからプラチナプリントを制作し、その上にサイアノタイプの感光剤塗布と露光を数回繰り返すことにより、プラチナによる精緻な描写とサイアノによる深みのある青と独特の質感が現れ、気品に溢れた静けさを漂わせています。

ステートメント
BLUEシリーズの作品は、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に触発され、またパブロ・ピカソの『青の時代』作品にインスパイアされて、『青の時代』制作のちょうど 100年目を意識して、2001年から2004年の間に制作した。
『陰翳礼讃』は学生時代に日本で読んだが、当時それほど感じるところが無かったのが、数十年後アメリカで友人から贈られた英語版を読んで感銘を受けた。おそらくその頃、作品制作や生活の折々に、陰影に美を見ている自身に気づき、日本人としてのアイデンティティを意識し始めたことも大きな要素だと思う。
改めて日本語版を取り寄せて読み、そこに日本の美学の一端を見た。
「掻き寄せて結べば柴の庵なり、解くればもとの野原なりけり」と言う古歌にあるように「東洋人はなんでも無い所に陰影を生じせしめて、美を創造する」ようである。そして「美は物体にあるのではなく、物体と物体の作り出す陰影のあや、明暗にあると考える。」と谷崎は言う。
ある夜更けにふと目を覚まして入った居間、月の光を浴びて青く輝く花瓶のある空間は、日常の我が家の居間とは異なる、気配に満ちた空間であった。
それは、チベット寺院の仄暗い本堂の奥深く安置され、かろうじて鈍く金色の光を放つ仏像の周りに漂う濃い陰影と、そこから忍び寄る緊張感、そして千年以上の間、祈りを受け続けた聖なる山を包む、あの濃密な空間の陰影とも相通ずる気配であった。
光と影が、その境界を失う一瞬、確かと思った存在さえも闇の中へ溶け去り、その気配だけが残る。

井津建郎
1949年大阪府生まれ。日本大学芸術学部に学んだ後渡米。以来50年間ニューヨークを拠点として作品制作と発表を続ける。2021年、日本に帰国し、金沢を拠点に活動を再開する。
30数年間にわたってエジプトを始め、ヨーロッパ、中東、アジアの石像遺跡、聖地を14×20インチのカメラで撮影、プラチナプリントによる表現を続ける。1993年にアンコール遺跡撮影のため初めて訪れたカンボジアで、多くの子供たちが地雷の犠牲になっている現実を目の当りにし、非営利団体フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーを設立。カンボジアとラオスに小児病院を建設と運営するなど多くのプロジェクトに携わる。
作品はニューヨーク・メトロポリタン美術館はじめ、アメリカを中心に多数の美術館に収蔵されている。作品集は2017年に「Seduction」、2018年に「Eternal Light」、2020年に「Requiem」、2021年に「Fuzhou -the forgotten land」、2022年に集大成の写真集「Impermanence」など18冊の写真集を出版。

©Kenro Izu, courtesy of PGI

©Kenro Izu, courtesy of PGI

©Kenro Izu, courtesy of PGI

©Kenro Izu, courtesy of PGI

ギャラリー名

PGI

住所

東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F

開館時間

月~土 11:00~18:00 日・祝日休廊 入場無料

アクセス

東京メトロ 神谷町駅 徒歩10分 都営大江戸線 赤羽橋駅 徒歩7分

URL

https://www.pgi.ac/

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