「SUKITA X SCHAPIRO PHOTOGRAPHS 鋤田正義 / スティーブ・シャピロ」二人展が、ブリッツ・ギャラリーで開催される。
開催概要
鋤田とシャピロは、活動した拠点は異なるものの、ほぼ同時代に活躍した写真家です。二人のキャリアはとても似通っており、ともに社会問題のスナップから写真家としての活動を開始し、その範囲は、ドキュメンタリー、ポートレート、映画のスチールにわたります。シャピロが激動する60年代に全米を旅して撮影した作品は「AMERICAN EDGE」(Arena Edition, 2000年) にまとめられています。鋤田も50年~60年代に、戦後混乱期の地元福岡のストリート・シーンや長崎の社会問題を撮影、それらは「SUKITA : ETERNITY」(玄光社,2021年) の「EARLY WORK」の章に収められています。また二人は70年代にデヴィッド・ボウイと数々のコラボレーションを行っています。シャピロは「Station to Station」(1976年)、「Low」(1977年)、鋤田は「Heroes」(1977年) のアルバム・カバー写真を手掛けています。また、映画関連の仕事では、シャピロはフランシス・フォード・コッポラ監督の「The Godfather」(1972年) や、マーティン・スコセッシ監督の「Taxi Driver」(1976年) の現場を撮影。 一方、鋤田は寺山修司と交流があり、長編映画「書を捨てよ町へ出よう」(1971年) の撮影監督を務めています。またジム・ジャームッシュ監督の映画「ミステリー・トレイン」(1989年)、是枝裕和監督の映画「ワンダフルライフ」(1999年)、「花よりもなほ」(2006年) のスチール撮影を行っています。
シャピロは2022年に87歳で亡くなりました。彼の遺志を継ぐSteve Schapiro Estate(スティーブ・シャピロ・エステート) は、一連の作品を熱心な写真や映画/ロックファンが多い日本で紹介されることを強く希望。鋤田正義が、同世代でボウイの撮影をはじめ、自分と同様のキャリアを歩んだシャピロに共感し、自作との共同展示を発案して当ギャラリーでの二人展開催が実現しました。
本展はボウイ・ファンや写真のコレクター/ファンにとって見どころ満載の内容です。鋤田正義はデヴィッド・ボウイやデヴィッド・シルヴィアンとのセッションでの未発表作や代表作のアザー・カット作品、ポートレート写真で時間経過を可視化した2枚組作品、ライフワークとして取り組んでいるドキュメンタリー作品などを代表作とともに展示します。また2023年に亡くなった、鋤田と生前に親交があったミュージシャンの鮎川誠、高橋幸宏、坂本龍一を追悼するコーナーを設けて作品展示を行います。
日本初公開となるスティーブ・シャピロ作品は、70年代の代表的なデヴィッド・ボウイ作品を中心に紹介いたします。その他、アンディ・ウォーホル (Andy Warhol)、ニコ (Nico)、ルネ・マグリッド (René Magritte)、モハメド・アリ (Muhammad Ali)、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)、マーロン・ブランド (Marlon Brando) などのポートレート、写真集「AMERICAN EDGE」や「Seventy Thirty」に収録されている激動するアメリカの珠玉のドキュメント作品を展示します。コンパクトに彼のキャリアを垣間見ることができる作品セレクションです。
本展ではモノクロ・カラーによる様々なサイズの約50点の作品を2回に分けて展示する予定です。年内開催のパート1では、主にボウイのカラー作品を中心に展示します。2024年開催のパート2では作品を入れ替えて、二人の原点となるドキュメンタリー系、ボウイや有名人ポートレートのモノクロ作品を中心に展示する予定です。
デヴィッド・ボウイや有名映画監督たちを魅了した、同時代に活躍した日米二人のアーティストの珠玉の写真表現をぜひご高覧ください。
- ギャラリー名
ブリッツ・ギャラリー
- 住所
東京都目黒区下目黒6-20-29
- 開館時間
13:00~18:00(月・火休廊/入場無料)
- アクセス
JR目黒駅からバス、目黒消防署下車徒歩3分 / 東急東横線学芸大学下車徒歩15分
- URL