GORO MIYASHITA「WINDOWS_NY」が、ニューヨークのUsagi Galleryで開催される。
宮下さんは、2017年度の写真新世紀に入賞。JR中央線が同じ目線で見渡せる場所から、人間模様を撮影し、2018年にナダールで写真展を開催。今回は、ニューヨークのの地下鉄で撮影、ニューヨークのギャラリーで写真展を開催する。
紹介文
宮下五郎は、東京の中央線沿線に生まれ育ち、今も、暮らし続けている。ある夜、彼は、見慣れた東京の中央線の窓から浮かび上がってくる人々の様子に、強く心を惹かれた。そして、電車の窓を劇場空間として捉え、窓越しに見える人々をポートレートとして撮影した。WINDOWSプロジェクトの誕生だ。そして、作品WINDOWSは、2017年の写真新世紀に入賞した。
やがて、五郎は、このプロジェクトをニューヨークで実施することを構想した。1930年代から地下鉄の車内で隠し撮りをしたWalker Evans 。1980年代の地下鉄に見る都会の闇を描いたBruce Davidson 。両者を踏まえた上で、そのどちらでもない新しいものを生み出すこと。現代のニューヨークをまさに今生きる人間たち。その無数のポートレートを、WINDOWSのフレームを武器に描き上げることを決意した。
2018年の夏。ニューヨークの地下鉄で、10日ほどの集中ロケを、彼は敢行した。そこで見えてきたもの。それは、東京の窓越しの人々とは、まるで違い、同時に同じでもあった。東京の窓に映る人々は、ある意味、同質で無機質だ。空気を共有し、モラルに従い正しい乗客を演じている。その中に時折、灯をともすように見えてくる孤独と希望。一方、ニューヨークの窓に映る人々は、多種多様だ。様々な人種や階級や宗教が無作為に入り乱れる。異質なものがぶつかりあうことで、逆に一つの秩序や均衡が保たれている。その中からこぼれ落ちてくるのは、やはり孤独と希望だ。
未来を夢見るように窓から遠くを見つめる男の子。明日の仕事を失うことに怯える労働者。今にも唇が重なるように見つめあう恋人たち。WINDOWS_NYは、2018年を生きるニューヨークのストレートなポートレートだ。その時、その場所で、その車両で、たまたま居合わせた人々の美しいモーメント。その瞬間は、永遠だ。
宮下五郎
NEW YORK ICP (International Center of Photography)と、TOKYO PHOTO SCHOOLにて写真を学ぶ。
2017年 写真新世紀 佳作受賞
2017年10月 写真新世紀展2017 (グループ展) at 東京都写真美術館
2018年3月 WINDOWS (個展) at Tokyo 表参道 nadar gallery
2019年3月 WINDOWS_NY (個展) at New York Brooklyn usagi gallery
- ギャラリー名
Usagi Gallery
- 住所
163 Plymouth St,Brooklyn, NY11201
- 開館時間
8:00~18:00(月〜金)11:00~18:00(土)
- URL