TOPNEWS & REPORT馬場智行写真展「孤独の左目」

#NEWS & REPORT 馬場智行写真展「孤独の左目」

2023年6月21日~7月2日

馬場智行写真展「孤独の左目」

馬場智行写真展「孤独の左目」が、横浜市民ギャラリーあざみ野で開催される。

ステートメント

孤独の左目
私は、写真をただ情報としてではなく、その情報を目の当たりにすることで体験的に理解されていくものと捉え、製作している。写真自体の表面に表される情報にその本質があるのではなく、あくまで写真との対面において、その写真が有する本質が現れるものと考える。例えるなら、写真そのものは映写機であり、スクリーンは鑑賞者の内にあり、鑑賞者の内に投影されるものがその写真が真に写しているものと捉えている。そして、この方法によって、写真は目に映らないものを写すことが出来るのだと考えている。

視覚とは何か。本作はこの問いに端を発して始まった。不鮮明な画像を見せ、視覚認識が何によって成されたかを鑑賞者自身に自覚的に知らせることで、これを果たそうとしていた。ところが、作品を見せることで、私は自身の作品が視覚認識のプロセスを表すものではなく、我々の視覚を用いた共有のあり方を表すものであり、視覚が我々の身体に備わっている本来的な意味を表そうとするものであることに気がついた。そして以下のような考えに至った。

<視覚認識とは、何かを視覚する時、眼前の事物を目の当たりにすることで生じる感覚を、既に所有している概念に付けたし、既存の概念を拡張することである。>
そして、共有された概念が及ぶ範囲を我々は世界と呼び、その拡張は種として生息域を広げようとする生命活動であり、視覚は生物としてのそのような営みのために身体に備わったものであると考え至った。
しかし我々の生活の中に徐々に姿を現わしつつあるミラーワールドは、私の考える視覚の身体性を変える可能性がある。ミラーワールドを概念装置として受け入れることや、パラダイムへシフトさせることで、視覚は情報の走査のための器官へと変化してしまう。さらにその変化は写真からコミュニケーションの力を失わせると思われる。私は撮り手の一人として、本作を用いてこの変化に抵抗する。

本作で示される写真は二つの工程で作成している。第一に、眼前の事物、その光景から視覚認識との関連を想起することをシャッターの契機にして写真を撮る。第2に、自身の身体性を用いて、左目の見えを再現する形で素の写真を不鮮明な写真へと変換する。身体性を用いることがより重要と考え、感覚的な操作が可能なPhotoshopの簡易なツールを使用してこれを行う。

このようにして作成された写真を体験的に鑑賞させることで、以下の二つを抵抗として表す。

1、本作を用いて、ミラーワールドを概念装置として受け入れる者とそうでない者とに仕分ける。
用いられる写真が示すのは、私の視覚認識に対する考えである。よって、写されているのは、私の所有する概念が私の感覚によって拡張されたことである。この写真に対しては、感じ取ることなしには、概念の拡張を写真に見ることはできない。この仕分けによって現れるのは、この作品に概念の拡張を見る者とそうでない者である。両者はいずれも不鮮明な写真に何が写されているのかから始まる。前者は事物の特定から、感覚することを行使し、事物がどのように写されているかに至る。その写真が表す意味を自身に去来した感覚上に見る。一方後者は画像を情報として捉えることから、撮影された事物の特定にとどまり、その写真が表す意味を事物そのものに見る。概念の拡張を本作から見ることの出来ない者が、ミラーワールドを概念装置として受け入れていく者である。
私は本作を用い、鑑賞者に自身がどちらに属するのかを知らせ、鑑賞者に2つの進む先があることを知らせる。

2、エラーを引き起こす物として、本作をミラーワールドの形成素の蓄積の中に潜ませる。
ミラーワールドは自身の構築とミラーリングのために、タグ付きの画像データを蓄積する巨大なクラウドのようなものを持つ。本作は特殊な処理法でなければ相互に機能しない関係性のタグと画像から成る。このクラウドに、エラー因子となり得る本作をアップロードする。そして、いつか誰かの呼び声に応じて、地上に降るミラーリングのその日まで潜伏させる。
その時潜ませた本作が、走査のための器官となった視覚を、本来の在り方に引き戻すと信じて。

本能が指向する共有への探求が、デジタルを生んだ。
我々は仮初めの共有を謳歌し、いつか孤独に立ち返る。
自己目的化された共有を本来のものへ還す、孤独がそれを担うことが出来る。

そのため、自身の身体性を用いることで、デジタルで存りながらユニークピースとなる画像を作り出し、”孤独”という言葉を左目の世界に付けた。
そして私は、AIを信仰するか否か、という岐路にある社会に向けてこれを発表する。

9.11

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ギャラリートーク 1「写真+助詞」 馬場智行×調文明(写真史研究・批評家)
6月24日(土)15:30
ゲストに写真史研究・批評家の調文明さんをお迎えします。今年2月に50年ぶりに復刊した『写真批評』の編集長を務める調さんは、本誌の中で現代の写真をめぐる状況の中で立ち上がるべき批評があると語っています。展示作品の読み解きを基に、写真自体の本質へアクセスを試みます。

ギャラリートーク 2 馬場智行×鳥原学(写真評論家)
7月1日(土)15:30
2回目は写真評論家の鳥原学さんをゲストにお迎えします。鳥原さんはこれまで多くの写真に関わる著書を出版されてきた語り手として以外にも、ビエンナーレのキュレーターやギ ャラリスト、写真現像所の店頭でプリント注文の対応など、様々な立場で写真を見てこられました。ギャラリートークⅡでは、展示作品のテーマである視覚に関連する「写真を見ること」について鳥原さんからのレクチャーを経て、写真と我々との関係について探ってまいります。

ギャラリートーク 3 アーティストコレクティヴglitch case2 馬場智行〈孤独の左目〉
6月22日(木〉10:00
先日、glitchが主催する KAI ART BOOK FAIR 内で行われた、コレクティヴのメンバーであるフジモリメグミの「アラウンドスケイプ」を対象にしたトークに引き続き、同じくメンバーである馬場智行の本展を対象にトークを行います。尚今回のゲストは写真家の千賀健史さんをお迎えします。
千賀健史 https://chigakenji.com

glitchの詳細
https://picon.fun/photo/20230505/
https://note.com/glitch_f_d_b/n/n743ed5153934
https://note.com/glitch_f_d_b/n/n9835187251b9
     

ギャラリー名

横浜市民ギャラリーあざみ野

住所

横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内

開館時間

10:00〜19:00(初日13:00から 最終日16:00まで 金曜のみ17時閉廊 月曜休廊)

アクセス

東急田園都市線「あざみ野駅」東口 徒歩5分

URL

https://artazamino.jp

池田満寿夫写真展「楽園のこちら側」

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