広川泰士新作展「あとかた」が、iwao galleryで開催。「BABEL ordinary landscapes」 (2015 年キヤノンギャラリー S)から7年ぶりとなる新作で構成される。
紹介文
広川泰士は、これまで地球の風景や自然、悠久の時間をテーマに宇宙の広がりと数々のスケール感のある作品を発表してきたが、本展は、新型コロナウイルスにより国や地域の移動が困難となった2021年から2022年にかけて制作した作品を展示。このコロナ禍で何かを諦めたり何かを待ち望んだ状態であり、反面、様々なことが加速度的に移りゆく中で広川の内なる時間に変化をもたらしたのか。
ギャラリーという限られた小さい空間で、内なる時間の流れに静かに向き合きあった作品の〝気配〟を感じて欲しい。
ステートメント
想像してみる
長年の風雨で蓄積した壁の滲み、常に変幻し止まることのない炎、小石、流れる水 ……
身近にある対象を写した。
世の中は、陰陽五行(木、火、土、金、水)の循環で成り立っているという説がある。木は火を生じ、火は土を生じ、土は金(鉱物)を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず、命の循環のようだ。確かにその通りだと思う。
短命の象徴のように喩えられる「薄羽蜻蛉(うすばかげろう)」、寿命500年とも言われる北の深海に生息する「ニシオンデンザメ」、樹齢何千年の巨樹。世の中の生き物は、種によって天命がある。それでは、命の長さによって時間の感じ方は違うのだろうか? これは想像するしかない。もしかして、それぞれがそれぞれの生を精一杯生き、死に際に〝Life is short〟と叫んでいくのかもしれない。
広川泰士
- ギャラリー名
iwao gallery
- 住所
東京都台東区蔵前2-1-27 2F
- 開館時間
12:00〜19:00(月・火・水休み 終日は 17:00まで)
- アクセス
都営浅草線 蔵前駅 A1出口 徒歩1分
- URL