立木義浩写真展 Ko・So・A・Do【一瞥の足跡】が、Jam Photo Galleryで開催される。
ステートメント
旅先で撮りそこねた写真は、網膜が記憶している。ときにそれを思い出させる悪魔の囁きが聞こえる。
あのときモノにしていれば……と。
いやな奴だ。
そしてまた、いつまでたっても個人的に気になる写真がある。
撮影の瞬間の、その場の状況も目に浮かぶ。
撮って選んだものは、撮れなかった、あるいは、
撮ったけれど選ばれなかったものの氷山の一角にすぎない。
写真を選ぶ作法、フォト・リテラシーは、身体的で直感を必要とする。才知やウィットは、写真の中にこそほしい。
写真は、自己表現ではなく、宇宙的世界の豊かさを表す。
あちこちの外国で、どんなに無我夢中で写真の日々を送ったところで、すべて断片に過ぎないのは、
群盲象を撫でるに似て、全貌を見渡せない証しなのだ。
写真は大きな世界の一部として撮られるからこそ、断片の凄さが際立つ。自分の視野の限界を世界の限界だと決めつけないことも大事だが、
それは、かんたんなようでいて、むずかしい。
今回の展示プリントは、
デジタルネガをつくり密着銀塩プリントしたものと、
スキャンデータからデジタル・プリントした2種類を、ご覧いただく。
立木義浩
1937年生。徳島県出身。1958年東京写真短期大学技術科卒。アドセンター入社。
1969年フリーカメラマンになる。女性写真の分野やスナップ・ショットで多くの作品を発表。広告、雑誌、出版などの分野で活躍し現在にいたる。
写真集に『イヴたち』『加賀まり子/私生活』『マイアメリカ』『東寺』など、近年では『Tōkyōtō』『動機なき写真』を出版。1965 年のデビュー作『舌出し天使』の写真集を2018年に出版。
- ギャラリー名
Jam Photo Gallery
- 住所
東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階 B号室
- 開館時間
12:00〜19:00(日曜17:00まで)月曜休廊
- アクセス
JR 目黒駅 徒歩5分
- URL