志立育 写真展「曖昧模糊な気配」が、アメリカ橋ギャラリーで開催されている。
なぜ、ブレた写真に魅力を感じるのだろう
ブレている写真なのに有名な作品がいっぱいある。何故ブレた写真に魅力を感じるのだろうか。ブレる事で何が写真に起こっているのだろうか。
個人的な考えだけど、こういうことかと思っている。はっきりと写っていないということが、見る人にある変化をもたらしているのではないだろうか。
はっきりとしていなければ、はっきりと見る必要がない。
はっきりと見る必要がなければ、はっきりと理解する必要がない。
これは頭を使わなくて良いということだ。曖昧ではっきりしない世界というのは、自由にただ感じていればいい世界となる。頭をフル回転させて多くのことを理解しなければ生きていけない現代において、これはとても魅力的な感覚ではないだろうか。だから、ブレた写真というのは、写真家の心が届いているのではなく、写真家がシャッターを押したその時その場所の感覚のようなものが、頭を通ることなく、直接心に届くのではないだろうか。アベドンが撮ったチャップリンも、キャパが撮った戦場も、そこに写っている、その人、その場所、その時間がそのまま見る者の心に伝わってくるのかもしれない。
「肝心なことは目に見えないんだよ」むかし誰かに言われたような気がする。
志立 育(Hagumu Shindachi)
大阪写真専門学校を卒業後、スタジオマンを経て写真事務所入社、
1997年フリーカメラマンとして独立。
2006年志立育写真事務所設立。
現在、書籍、雑誌、広告を中心に活動中。
2014年 『HAMAの絆潮』AmericaBashiGallery
2016年 『ニキ・ド・サンファルに逢いに~ il Giardino dei Tarocchi~』 AmericaBashiGallery
2018年 『快楽と極楽〜名も無きもの〜』AmericaBashiGallery
2020年 『水が落ちる』AmericaBashiGallery
https://www.shidachi.com/
- ギャラリー名
America-Bashi Gallery
- 住所
東京都渋谷区恵比寿南1-22-3
- 開館時間
11:00〜19:00 (初日は14:00から、最終日は17:00まで)
- アクセス
JR山手線・埼京線「恵比寿」駅(東口)より徒歩5分
- URL