田中長徳写真展「ウィーンとライカの日々」が、gallery bauhausで開催される。
ステートメント
1985年頃東京でエルンスト・ハースに会いました。彼はウィーンの出身でその後長くニューヨークに暮らした写真家です。ハースとの会話でーウィーンは題材としてモノクロームの街なのかそれともカラーに向いている街なのか?
私が質問すると、ハースは、「そりゃウィーンはモノクロの街だよ。君は僕のウィーンのモノクロの仕事を見たことがあるかね?」と答えました。
ライフのスターフォトグラファーとしてカラーの魔術師と呼ばれていたハースからの答えでしたが、私は戦争直後にオーストリア帰還兵を撮影したハースの優れたモノクロームのフォト・ドキュメンタリーを見ていたのでその話になりました。
残念ながらハースの「オーストリア帰還兵」の仕事はほとんど世に知られていないのです。
1985年頃プラハではウィリアム・クラインに会いました。
彼の回顧展の展示中に、数日間行動を共にしてアシスタントをしたのです。
クライン曰く、次の自分のテーマはウィーンだ。ニューヨーク、パリ、東京、モスクワは撮影したけどウィーンはまだ撮影したことないからね。
1973年から80年までの7年半の間に私は膨大な数のウィーンのスナップショットをモノクロ・フィルムで撮影しました。思えばエルンスト・ハースとウィリアム・クラインに会ってから35年の時間が経過しています。
今回の写真展はエルンスト・ハースとウィリアム・クラインの代打者としてウィーン球場のバッターボックスに立った感じなのです。それに小瀧さんの「ウィーン-旅の憂鬱」はカラー作品ですからそれに対戦するモノクロチームのつもりでもあります。
「ウィーンとライカの日々」と言うタイトルは、26年前に出版した写真集のタイトルです。
田中長徳
- ギャラリー名
gallery bauhaus
- 住所
東京都千代田区外神田2-19-14
- 開館時間
11:00~19:00(日、月、祝日休廊 入場無料)
- アクセス
JR、東京メトロ 丸の内線 御茶ノ水駅 徒歩5分
- URL