<作家活動50周年記念展> 井津建郎写真展「地図のない旅」が、Roonee 247 fine artsで開催される。
紹介文
井津建郎は1970年代初頭に渡米、ニューヨークを拠点に世界中の古代遺跡などを巡りながら撮影を続けてきました。情感を極力抑えながらストレートに事物を捉え、アナログフィルムの粒子のひとつひとつを極限まで磨き上げて完成されたプリントで世界中の人々の心を揺り動かしてきました。井津がレンズを向ける、太古の世に造られた人々の祈りと営みの光景に向き合うと、なぜここに在るのか?なぜいまここに写真家は立っているのか?と想像の翼が広がります。景色の中に潜む気配の中から言葉にならない様々な感情が湧きあがり、聖なる土地に惹き寄せられる「核」と見る者の内なる聖地の「核」からはじまる心の往還こそ、私たちが井津の作品に心が揺れ動く証なのだと思われます。
渡米から50年を経て、これまでの写真家活動を俯瞰する写真集の刊行を機に、長いキャリアの中からデビュー作のエジプト・ピラミッド、イギリスのストーンヘンジなど、並行して取り組んできた室内の静物作品も織り交ぜ、1990年代までの作品から選出。ゼラチンシルバープリントとプラチナプリントで、撮影時直後に制作されたビンテージプリントを中心に展示致します。
とりわけ、井津作品の真骨頂とも言える超大型カメラを使ったプラチナプリントによる作品は1990年代中頃までにプリントされたものを数多く展示します。この技法は大変デリケートなレシピで知られますが、これらの作品は現在入手できる材料よりも、より写真家が満足いくまでクオリティーを追い込むことができたと言われており、大変貴重なものです。
充実した見応えを感じられる全30点のオリジナルプリントを展示販売いたします。
井津建郎
1949年大阪に生まれる。日本大学芸術学部に学んだ後1971年に渡米。以来ニューヨークを拠点として作品制作と発表を続けて現在に至る。
30数年間にわたって世界の『聖地』を14×20インチのカメラで撮影、プラチナプリントによる表現の他、植物、果実や人体の習作をスタジオにて制作。
作品はニューヨーク・メトロポリタン美術館はじめアメリカを中心に多数の美術館に収蔵され、日本では清里写真美術館で4度にわたる写真展を開催、それら全ての作品が同美術館に収蔵されている。
作品集は、2017年に<Seduction>、2018年に<Eternal Light>、2019年に<Requiem>など、16冊の写真集を出版。
https://www.kenroizu.com/
- ギャラリー名
Roonee 247 fine arts
- 住所
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4F
- 開館時間
12:00-19:00 最終日16:00閉館 / 月曜日休館
- アクセス
JR 総武線 馬喰町駅 徒歩3分
都営地下鉄新宿線 馬喰横山駅 徒歩3分- URL