最近気になっていたアーティスト、友沢こたおさんの作品を生でみたいと思い、「新藤杏子、スガミカ、友沢こたお、グルーブ展『face to face』」が開催されているBunkamura Box Galleryへ。

Bunkamura Box Galleryは渋谷駅から徒歩約7分。

Bunkamura Box Gallery正面。
友沢こたおさんは「描けば売れる」という超人気アーティストで、今や様々なギャラリーから引っ張りだこの状態だそうだ。
高く売れるとか、すぐ売れるとか、ビジネス的な視点で見てしまうのはよくないな 笑。
しかもまだ東京藝大の学生というから驚かされる。
スマホやPCのモニターでみた時は、CGのような質感に見えたのだが、彼女の作品は油絵具で描かれている。実際にBunkamura Box Galleryでリアルを見ると、筆の質感の生々しさが伝わる。

特にこの赤ん坊の作品、一度見ると本当に忘れられない。マットな質感の肌と独特なスライムの光沢感。人によって受け取り方は様々だが、コロナ禍での“悶々とした社会の空気感”だったり、“次世代のコミュニケーション”(まるで赤ん坊どうしが会話しているような)に見えたり…。
呼吸ができない息苦しさ(たぶん)と、ギャップを感じさせるクリアな瞳に、強烈な違和感を植え付けられ記憶に刻まれる。
彼女の作品は「シズル」と「シンプルな構図」「少し硬めの光」が特徴。スライムに光があたったところのヌメリ感が、人肌ではありえないCGっぽい身体に生命が吹き込まれたかのように感じる。
こたおさんは、自身がスライムを被って、肌感覚を体感しているようです。またそういった作品もある。
その情報を他媒体で読んだ時、現代アーティストの塩田千春さんが、作品制作で自身が地面に首まで埋まったり、泥のバスルームで映像作品を作るなどされていた事を思い出した。作家にとって「皮膚で記憶すること」は重要な通過点なのかもしれない。
これからどのような作品が生み出されるのか、注目したい。

ギャラリー横のウォールにも作品が掲出されている。

- ギャラリー名
Bunkamura Box Gallery
- 住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
- 開館時間
10:00~19:00
- アクセス
JR 渋谷駅 徒歩7分
- URL
https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/box_210825face.html

SHOOTING編集長・フォトプロデューサー
坂田大作
Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。
Webサイトを運営する傍ら、約600ページの「SHOOTING PHOTOGRAPHER + RETOUCHER FILE」を9年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動している。