表参道(東京都渋谷区神宮前)でショップ・レンタルギャラリー・プリント工房受付を運営していた「ピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道」が、2021年5月より両国にて「ピクトリコ ショップ&ギャラリー」として営業を開始する。
本格営業を前に、両国へ移転したショップ&ギャラリーを訪問した(註:取材時は「緊急事態宣言」の発令を受け、休館中)。
「ピクトリコ ショップ&ギャラリー」はJR両国駅 西口から徒歩3分。国技館の入り口正面の道路を渡ったビルの5Fにある。2階に「炭焼きステーキ くに」という店舗が入っており看板が出ているため、わかりやすい。
入り口を入ると、右側に「プリント工房」の受付があり、その奥と左サイドにミーティング・スペースがある。表参道ではそういったスペースがなく、どうしても立ち話的になっていたが、ここでは展覧会用の紙の打ち合わせや、テストプリントの色チェックなどがゆったりと行える。
入り口を入って左サイドのスペースは、テーブルの他、プロジェクターが2基設置されており、天井から吊るされた120インチスクリーンに、背後から映像が照射される。スクリーンの紙(素材)はざらつきがなく、つるっとしていて映像が鮮明に映る。これはピクトリコの親会社である三菱製紙のプロジェクター用スクリーンフィルム「彩美s<SaiVis>」が使われているとのこと。
また右側のガラスにも「彩美s<SaiVis>」が使われており、ここにも映像が映る仕様。ガラスだけだと透過してしまうが、このフィルムを接着することで透明感を確保しながら、映像が見られる。展覧会を開催する方の写真や映像をループさせることも可能だ。
大型スクリーンの横は「ピクトリコ ウォールスペース」として、小規模展示に最適な3.6mのレンタルスペースとしている。
メインギャラリーの広さは32.4㎡。表参道は「Gallery1+2」で38.35㎡とそれよりはやや狭いが、視覚的には広く感じる。表参道が細長だったためかもしれない。壁は表参道の時と同じ材質を使用している。
レンタル価格は「ピクトリコ ギャラリー」が、5日間で11万円(税込み)、「ピクトリコ ウォールスペース」が3.3万円(税込)。
奥の扉を開けると、控え室がある。表参道では、在廊していてもギャラリー内にいるしかなかったが、ここではwifiも飛んでおり、在廊しながら裏でちょっとした作業や休憩、食事等ができるのもありがたい。
国産のマスクや除菌液も販売
ピクトリコギャラリーを運営しているダイヤミック株式会社は、前述したように三菱製紙系列であることから、ここではそのショールーム的な機能も有している。
オーダーTシャツ・グッズ受注などを予定しているが、驚いたのが「除菌液」や「国産マスク」の販売。よく考えると不織布マスクは紙繊維なので納得。コロナ禍で日本製のマスクを求める声は高い。ただ本来、三菱製紙のマスクは、B to B製品のためカートン売りであるが、このギャラリーでは、特別に一箱から購入できる。ただしマスクだけ買いに来るのはやめてください(笑)。
「プリント工房」の出力センターも同じビル内に移転
もともと両国のピクトリコ本社内にあったプリント工房が、ギャラリーと同じビルの上階に移転した。これにより、サンプル出しや、本番プリントの納品が非常にスムーズになり、タイムロスがなくなった。関係者以外は入室禁止だが、必要な際に、プリンティングディレクターに相談できると思えば、心強い。
表参道の場所は確かに良かったが、両国への移転はネガではなく、スペースが広がり、様々な機能強化が図られていてポジティンブに捉えることができた。
移転後に開催予定だった、小澤太一写真展「NAURU HORIZON」、鈴木知子写真展「あの日あの時」の日程は、改めて発表される。
ピクトリコ ショップ&ギャラリー
住所:東京都墨田区横網1-2-16 東誠ビル5F
営業日:火曜日~土曜日 11:00~19:00
問合せ:ダイヤミック株式会社 イメージングメディア営業部 ピクトリコフォト(グループ) tel. 03-5600-1640
ギャラリースペース詳細:https://www.pictorico.jp/press-release/detail/694/
SHOOTING編集長・フォトプロデューサー
坂田大作
Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。
Webサイトを運営する傍ら、約600ページの「SHOOTING PHOTOGRAPHER + RETOUCHER FILE」を9年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動している。