TOPEDITOR'S BLOG「with colona」時代の「撮影ガイドライン」について考える。

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2020年5月28日 編集長ブログ

「with colona」時代の「撮影ガイドライン」について考える。

2020年5月25日、関東の1都3県、北海道について「緊急事態宣言」が解除された。
これを機に、今まで自粛されていた各種の撮影(準備)業務が始まる。

撮影と言っても、テレビコマーシャル、雑誌や広告、映画業界、個別企業案件と、書けばキリがないが、それぞれのジャンルにおいて、一般社団法人、公益社団法人、〇〇連盟、協会、また制作会社等から、「撮影における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が発表されている。

概ね「制作業務フローの中で『3密』を回避するような環境に考慮し、得意先、外注先と協議の上、方針を決定してください」というもの。すでに「ガイドライン」として渡されている現場の制作関係者、クリエイターも多いと思う。

ガイドラインには「遵守」から「新たな制作業務確立に向けて」まで、様々なニュアンスが存在する。

でもって、撮影に限っていうと

「撮影とは人が集まって作る共同作業の場」なのである。

ソーシャルディスタンスやガイドラインを「完全厳守」しながら、撮影するのはかなり難しいのではないだろうか。

・テザー撮影され、モニターに映し出される写真を、スタッフ一人一人が順番に見ましょう。
・機材は最小人数しか、触らないようにしましょう。
・フォトグラファーと被写体は一定の距離をとりましょう。
・香盤表は一人1枚、もしくはデータで共有しましょう。
・事前ミーティング、撮影スタジオや編集室に集まる人数を制限しましょう。
具体事例を書き出すときりがないのです…。

1Dayで終わる予定が、2~3日スタッフや撮影場所をキープする必要性があったり、
撮影場所+控え室、ロケバスの分散乗車ほか、経費も以前よりかかってくる。

感染拡大の防止に努めるのは、当然の義務だが、
・マスクの常用
・定期的な手洗い、消毒
・各所の消毒、除菌
・検温
・換気
等々、「ベーシックな予防策を全員が励行」することで、かなりのリスクは低減できるのではないだろうか。

白と黒の間にはグレーが存在するが、「感染対策」に異常にナーバスになりすぎて「より良いものを作る」という目的が損なわれはしないか。「感染対策」は手段であって、目的ではないはず。

「とりあえずルールを守りながら仕事が流れればOK」では、本当の意味での「ニューノーマル」な時代の表現はできないのではないだろうか。

一時的には、過去の制作物やアザーカットの使用、再編集、またストックフォトの利用が増えると思うが、やっぱり現場で新しいものを作って発信するのが「ものづくり業界」の楽しいところ。

これから試行錯誤の状況が続くと思うが、皆で前に進みましょう!

新しいアイデアや機材、効果的なフロー、また問題点等、色々情報が集まってくれば、情報共有や議論していく場を設けたいと考えています。

SHOOTING編集長・フォトプロデューサー

坂田大作

Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。REP ONE(amana)マネージャー。

Webサイトを運営する傍ら、約600ページの「SHOOTING PHOTOGRAPHER + RETOUCHER FILE」を8年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動していいる。

https://shooting-mag.jp/
https://repone.jp/
http://tsunagari.co.jp/

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