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#EDITOR'S BLOG イベントレポート:「ハッセルブラッド・ジャパン ローカルアンバサダー 長山一樹氏による中判デジタルカメラH6D講座」

2019年10月27日

イベントレポート:「ハッセルブラッド・ジャパン ローカルアンバサダー 長山一樹氏による中判デジタルカメラH6D講座」

2019年10月27日、ハッセルブラッド・ジャパンは、ローカルアンバサダーを務めるフォトグラファーの長山一樹さんによる「中判デジタルカメラH6D講座」を開催。「SHOOTING」編集部も参加したので、そのセミナーレポートをお届けする。

プログラムは午前中が座学、午後は実際にライティングを組んで、撮影前の流れからシューティングまで、実演しながらの講座であった。

長山さんは、ファッションをベースに、広告や雑誌で活躍しているフォトグラファー。レンタルスタジオで学び、2004年より守本勝英氏に師事し、2007年に独立。フィルム時代から現在の最新型デジタルカメラ、H6Dまでディープなハッセルユーザーである。

長山さんの仕事。

座学のアジェンダ
・コマーシャルフォトグラファーになるという事
・フリーランスになりたい人へ
・ハッセルブラッドを選ぶ理由
・ハッセルブラッドが有効な撮影現場
・物を見る力、物を選ぶ拘り
・自分をブランド化する方法
・アウトプット戦略の時代
・これからの時代どうあるべきか

結論から書くと、「ハッセルブラッドカメラの使い方講座」ではなく、第一線で活躍している長山さんの「プロフォトグラファーとして食べていくためにはどうあるべきか」という、リアルで実践的な話が中心だった。

人を喜ばす=自分が楽しむ
依頼主や、自分が撮った写真を見た人に喜んでもらうためには、まず自分自身が楽しめないといけない。ガチガチに緊張した中でよい写真は撮れない。まず楽しく写真を撮れるようになること。

必要なのはセンスではなくジャッジの早さ
「個性」とか「らしさ」といったものではなく、必要なのは自分が素早く判断して皆を引っ張っていくこと。人に委ねたり、お伺いをたてていては現場は進まないので、自からが先頭を切って仕切っていくこと。

Aではなく、BもCも持っているけれど、A+を提案する知恵
「依頼主の希望から外れたことをしても、誰にも喜ばれない。現場で先方から『違う』と言われなくても『この人、ちょっと合わないかも」と思われたらもう次は声がかからない」。

これはとても現実的な話。依頼主が求めているのは、Aをさらによくするためのアイデアや方法論。それを提案できるかどうかが、その仕事や関係性を継続していけるかどうかが決まってくる。

自分をブランド化する方法
長山さんと言えば「ハットにスーツ」というスタイルが目に浮かぶが、実はスーツで撮影をするようになったのは、ここ2年だそうだ。それまではカジュアルだった服装をスーツにしたら、周りから「どうしたの?」「何かあったの?」と聞かれる(それはそうですね)。でもそれを半年続ければ「スーツスタイル」が長山さんのカラーとして認知される。

ファッションブランドの仕事も、その頃から「カジュアルからキレイめライン」へ依頼が移っていったという。

そうした自身のスタイルや好きな写真だけをインスタグラムに上げ続け、現在では約2万人にフォロワーが増え、インスタグラムを見て仕事の依頼が来ることも少なくないそうだ。
Instagram:@kazuki_nagayama

ハッセルブラッドH6D-100c

ハッセルブラッドを使い続ける理由
長山さんのアシスタント時代や独立した当初は、まだフィルムカメラが主流で503シリーズ等を使われていた。デジタル時代になってもかわらずハッセルブラッドを使う理由として、「ファッションでもプロダクトでもオーセンティックなものが好き。ハッセルブラッドの製品には真の部分で普遍性を感じる」とのこと。

最近の35ミリデジタル一眼レフは、画素数、連写、AF性能、高感度特性など凄まじく高性能になっているが、「ハッセルの不便さこそが、自分の感覚が養われる要素」になっているそう。

好きなレンズは、100mmと150mm。仕事はほぼこの2本しか使わない。ズームは便利だが重くなってしまうのと、画角に迷うよりも、レンズを決めて被写体とじっくりと向き合い、無駄なシャッターを切らず、撮影に集中する方がいい。

長山さん曰く、被写体の人たちもプロとして、撮られ慣れている人が多い。その中でハッセルのカメラを持ちだすと「おっ、このフォトグラファーはちょっと違うぞ」「いい写真を撮ってもらえそう」「本気で向き合おう」。そのような「撮影者の本気度」を相手にも感じてもらうことができるという。

インスタグラムは気に入った写真しか上げていないが、振り返るとほとんどハッセルブラッドで撮ったものだ。

「100mm、150mmのレンズは、ピントが合ったところからのボケ方が自然で、いかにも『ぼかしています』的な35mmの大口径レンズとも違い、ナチュラルなボケかたが気に入っている」。

実演のアジェンダ
・フォトグラファーがとるべきポジション
・実際にモデル、スタイリスト、ヘアメイクを交えてのシューティング実演
・コミュニケーションの多様性
・ポートレートにおいてのレンズ選び
・ライティングレクチャー
・HASSELBLAD H6Dを知る

午後はスタジオでの撮影実演が行われた。今回のセミナー会場はGO-SEES 広尾(スタジオ)。ここはスチルの撮影スタジオとして、フォトグラファーやモデル、制作スタッフにも人気のスタジオで、日々様々な撮影が行われている。

長山さんもよく使うスタジオで、モデルやスタッフと「ほぼ本番の撮影セット」が組まれ、打ち合わせから撮影まで、実践的なレクチャーが行われた。

スタジオ撮影の場合は、ほぼテザーで行われるが、ハッセルブラッドの場合は純正のテザリング、現像・画像編集ソフトの「Phocus」が使われる。いわゆるCapture Oneのハッセル版ソフトウェアである。H6D-100cは1億画素のデジタルカメラで、個人的に驚いたのはPCへの転送スピードだ。

長山さんはほぼ本番さながらに、1秒間に数コマの感覚でシャッターを切っていく。PCの画面上では撮った画像がテンポよく表示され、待たされるストレスがない。私自身「H6DとPhocus」の熟成度に驚かされた。レンズの焦点距離による見え方の違い、ライティングのこだわりや、バック飛ばし用天射の意味、トーンの作り方など、実際に撮影しながら話される内容には説得力がある。

どんな仕事でも「できません。無理です」とは言わない。「相手からの問い合わせやオファーには、なるべく早く返事をする」。こういったプロとしての日常の心構えから実践まで、書籍やYoutubeでは見られない、第一線で活躍しているフォトグラファーのレクチャーは、とても参考になったと思う。

セルフブランディングの重要性とハッセルブラッドへのこだわり等、私自身も色々学べた1日だった。今度「SHOOTING」でも写真を仕事にしたい人を対象にした、リアルイベントを検討したい。

SHOOTING編集長・フォトプロデューサー

坂田大作

Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。もと月刊「COMMERCIAL PHOTO」編集長。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。REP ONE(amana)マネージャー。

Webサイトを運営する傍ら、約600ページの「SHOOTING PHOTOGRAPHER + RETOUCHER FILE」を7年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動していいる。

https://shooting-mag.jp/
https://repone.jp/
http://tsunagari.co.jp/

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2019年10月27日

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予約開始後に初版2,000部が完売。 濱田英明 写真集『DISTANT DRUMS』

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プロショップの役割

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