TOPEDITOR'S BLOG「愛」を唱え続けていく写真家、レスリー・キー写真集「WE ARE THE LOVE」

#EDITOR'S BLOG 「愛」を唱え続けていく写真家、レスリー・キー写真集「WE ARE THE LOVE」

2022.01.25

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「愛」を唱え続けていく写真家、レスリー・キー写真集「WE ARE THE LOVE」

レスリーの写真集「WE ARE THE LOVE」を観ている。

レスリー自身が選んだ総勢500人のポートレートが並び、合計600ページに及ぶ写真集。とにかくこのボリュームと重量に圧倒される。

これはレスリーが来日30周年という節目を迎え、また売上の一部を、東京都北区にある児童養護施設「星美ホーム」への寄付にあてたいとの思いで立ち上げたクラウドファンディングの企画でもある。

シンガポールで生まれ、日本に憧れを持って来日したレスリー。今までものすごく多くの人達に出会い、一期一会を写真として収めてきた。

私がコマーシャル・フォトの編集長時代、「SUPER TOKYO」のプロジェクトが途中まで進行中で、自分がやっていること、これからやりたいことを2時間以上、話し続けられ、そのエネルギッシュさと熱意に圧倒されたのを今でも覚えている。

その後私は、2010年5月号でレスリーの大特集を組み、蛇腹式の付録もつけて発売した。いま考えると、こんなハチャメチャな表紙は、最初で最後だろう(笑)。

©️GENKOSHA「COMMERCIAL PHOTO」2010/5月号

その後レスリーは、次々と大きなプロジェクトや大型展覧会を成功させ、写真業界を牽引する第一人者となっていった。

編集長としては、写真家でもデザイナーでも、これから伸びていくであろう人たちをフィーチャーし、業界を引っ張っていく人を発掘、紹介していくのがメディアの役割であると思うし、次世代へと繋がる「憧れ」を作っていくこと、これはどのようなジャンルでも大切なことだ。
 

ところで、写真集「WE ARE THE LOVE」

これはレスリーの思いを具現化した最新の作品集である。日本に来日し、専門学校で写真を学び、その行動力でがむしゃらに写真を撮り続けていたレスリー。

ものすごく沢山の人と人を繋いできたけれど、特にここ数年「自分はなぜ写真を撮るのか」という原点に立ち帰っているような気がしている。

NPO法人と組んで、LGBTへの理解を深めるために、日本のLGBTの人たちの姿を撮影・展示したプロジェクト「OUT IN JAPAN」であったり、孤児院で育ったレスリーが児童養護施設へ寄付を行うなど、「写真」を通して社会活動にも力を入れている。

世の中的には「レスリー・キーはすごい写真家」、という記号で語られていると思うけれど、何というか結構な「淋しがり屋」だと思っていて(笑)、だからこそ常に人と繋がって何かをしていたい人なんだろう、と思う。そう、回遊魚と同じく、写真を撮るのをやめたら死んじゃうじゃないかと思われる(笑)。

写真集の中に写っている方たちは世界的な著名人も多く、中ページを見せづらい。でも一貫している事は、変なギミックやテクニックに偏ったものではなく、「その時、その場所で対峙した素直なポートレート」だと言うこと。

写真集が分厚過ぎて、真ん中あたりしか見開けません。

2019年以降、世界は「新型コロナ」の感染で一変した。
世界中の人がスマホで繋がっている時代なのに、未だに戦争やテロも絶えない。LGBTQへの理解もまだまだだ。
だからこそレスリーは、写真を通じて「LOVE」を唱え続けるのだろう。

「WE ARE THE LOVE」
写真集収録(抜粋):
Lady GaGa、BEYONCÉ、MADONNA、PHARRELL WILLIAMS、CINDY CRAWFORD、DITA VON TEESE、AVRIL LAVIGNE、STEVE AOKI、DEVON AOKI、JULIETTE BINOCHE、NICK WOOSTER、YOKO ONO、HILARY DUFF、STEVEN TYLER、JACKIE CHAN、GONG LI、浜崎あゆみ、土屋アンナ、冨永愛、城田優、小室哲哉、大黒摩季、平原綾香、早見優、宮本笑里、小曽根真、すみれ、哀川翔、LiLiCo、YOSHIKI、観月ありさ、槙野智章、河瀨直美、北野武、早霧せいな、太田光、EPO、杏里、Keiko Lee、永瀬正敏、安藤政信、斎藤工、アオイヤマダ、西島数博、壇蜜、シシド・カフカ、山本耀司、玉置浩二、美馬寛子 他、計500名

仕様:ハードカバー、A4変形~B4変形、表紙+本文600p
製作主体:株式会社八紘美術
*クラウドファンディングによる限定生産のため一般販売はしていません。

SHOOTING編集長・フォトプロデューサー

坂田大作

Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。

Webサイトを運営する傍ら、書籍「SHOOTING PHOTOGRAPHER + RETOUCHER FILE」を10年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動している。
2021年11月より、写真家らと組んで「NFT Art作品」の販売をスタート。「普遍的な作品の価値」を追求している。
https://shooting-mag.jp/
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