飯沼珠実個展『Japan in der DDR – 東ドイツにみつけた三軒の日本の家/二度消された記憶』が、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで開催される。
ステートメント
二度消された記憶
1979年1月12日、鹿島建設の建設事務所が空巣被害に遭ったことを知った。その被害はドイツマルク現金のみならず、島津さんの同僚である迫さんの35ミリフィルムが盗まれたという。ただしこじ開けられた金庫
に、カメラ本体は残されていたというから奇妙だ。警察に届出をしたものの、盗難品が戻ってくることはなかった。
2016年5月30日、わたしはその盗まれた記憶を取り返してみようかと思い立ち、35ミリフィルムカメラCONTAX T3を持って、ベルリン・グランドホテル界隈を歩き、スナップ写真を撮った。撮影の手応えを憶えて、興奮のうちに東京へ帰り、早速現像所に撮影済みフィルムを持ち込んだ。
次の日ピックアップに行くと、わたしのフィルムは白く、ところどころに傷跡が見受けられた。現像機本体の小さなネジが外れており、現像機内が密閉されていなかったために、フィルムが感光してしまったと説明された。また外れたネジは機械内部に紛れ込み、フィルムを傷つけてしまったということだった。
飯沼珠実
- ギャラリー名
KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
- 住所
東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布 5F
- 開館時間
13:00〜20:00(火〜金曜日)/12:00〜19:00(土曜日)
(日・月・祝休廊)※短縮営業:12月7日 12:00〜17:00- アクセス
東京メトロ 表参道駅 徒歩10分/六本木駅 徒歩13分
- URL