大和田良写真展「水石/類推の山」が、さいたま市大宮盆栽美術館で開催される。
開催概要
2011年、さいたま市大宮盆栽美術館の写真作品展シリーズ第1回の「盆栽×写真vol.1 大和田良写真展」で、大和田は同館所蔵の盆栽を撮影した〈FORM―SCENERY SEEN THROUGH BONSAI―〉を発表しました。盆栽の姿に雄大で厳かな風景を見いだしたその試みを経て、本展では水石へ眼差しを向けます。
水石の文化は、自然石の形や肌理のなかに山水、草庵、人影などを見いだす「見立て」の美学に支えられています。それは単なる縮景や外形の類似ではなく、観察と想像の往還によって、小さな物質から広大な空間をひらく営みです。長い時間に磨かれた石は、石であると同時に山となり、物語の舞台となります。大和田は、石に刻まれた微細な起伏や亀裂をたどり、自然風景と組み合わせることで、可視と不可視を結ぶ「類推」の働きを写真に探ります。
実景の稜線は石のエッジと重なり、石の亀裂からは巨大な断崖が立ち現れます。レンズを介して両者の輪郭が侵食し合うとき、スケールは揺らぎ、風景の起点は判別できなくなります。今回、大和田が思考の補助線としたのが、ルネ・ドーマルの未完の小説『類推の山』です。
通常の知覚から隠され、特殊な条件でのみ到達できる神秘の山は、水石をめぐる見立ての構造と深く響き合います。
現実との接触と光の痕跡をとどめる写真は、石という物質と、そこから喚起されるイメージのあいだを往還します。本展は、世界を記録するための旅ではなく、私たちが世界をいかに経験するのかをたどる冒険でもあります。
大和田良は1978年仙台市生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科を卒業し、同大学院メディアアート専攻を修了。2005年、スイス・エリゼ美術館「reGeneration. 50 Photographers of Tomorrow」に選出され、2011年に日本写真協会賞新人賞を受賞しました。盆栽、ワイン、剥製、活字、植物など多様な対象の背景にある歴史や美意識をすくい上げ、写真の新たな表現を探究し続けています。石という静黙なる自然の断片が、見る者の想像力によって広大なランドスケープへと転じる瞬間。その「知覚の地形」を、ぜひ会場でご覧ください。
ギャラリートーク
出演:大和田良
日時:10月25日(日)、11月15日(日)各日13:30~
会場:企画展示室
※当日有効の観覧券をご用意の上、ロビーにお集まりください。事前申込みは不要です。
大和田良
1978年仙台市生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。2005年、スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50Photographers ofTomorrow」に選出され、以降国内外で作品を多数発表。
著書に『prism』(2007年/青幻舎)、『五百羅漢』(2020年/天恩山五百羅漢寺)、『宣言下日誌』(2021年/kesa publishing)、『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(2022年/インプレス)、詩人のクリス・モズデルとの共著『Behind the Mask』(2023年/スローガン)他多数。2011年日本写真協会賞新人賞受賞。
現在、東京工芸大学芸術学部准教授。
http://www.ryoohwada.com




- ギャラリー名
さいたま市大宮盆栽美術館 企画展示室
- 住所
埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
- 開館時間
9:00~16:30(10月)/ 9:00~16:00(11月)木曜休館
[観覧料]一般:310円/高大生・65歳以上の方:150円/小中学生:100円- アクセス
JR宇都宮線 土呂駅 東口徒歩5分
東武アーバンパークライン 大宮公園駅 徒歩10分- URL








