TOPEDITOR'S BLOG第3回 六本木スタジオ x 五十嵐隆裕(SIGNO)「ロクスタアカデミー」

#EDITOR'S BLOG 第3回 六本木スタジオ x 五十嵐隆裕(SIGNO)「ロクスタアカデミー」

2026年8月12日

第3回 六本木スタジオ x 五十嵐隆裕(SIGNO)「ロクスタアカデミー」

2026年7月、東京・港区の六本木スタジオにて第3回「ロクスタアカデミー」が開催された。

これは「感覚ではなく、理論で光を学ぶ」というコンセプトのもと、フォトグラファーの五十嵐隆裕さんと六本木スタジオが企画しているワークショップ。

第1回のレポートはこちら
https://shooting-mag.jp/editors-blog/19665/

第3回は午前が「レンブラント」編、午後「光を読み、写真を組む」という実践シューテイング&レビューで、私は午後の部に伺った。

会場となった六本木スタジオ
https://www.roppongi-st.co.jp/

午後はより実践に特化したワークショップ。参加者がグループに分かれ、五十嵐さんが用意した写真を分析して、光(照明)の設計から、撮影、簡易レタッチまで施す、というもの。

普段は広告や雑誌で活動されている五十嵐さんですが、この日は実際に仕事で撮影した俳優の写真プリント(製品カットやコピーの入っていない)を持参。3つのグループそれぞれに違う写真プリント(課題)を配布した。

余談だが、
著作権上、五十嵐さんが準備した写真は見せられないが、誰しもテレビで見ている俳優やモデルの写真だった。俳優もクライアントもトップクラスなので、ビジュアルを見せられただけで説得力があるし、参加者たちのモチベーションも上がっていく。

午後の部は、参加者がグループに分かれて実践していくワークショップ形式。オールスタッフの挨拶時からモデルのHIROKOさんに色々ろ質問をする五十嵐さん。撮影前のコミュニケーションはとても大切。

各チームのメンバーは、自分たちに渡された写真が「どのようなライティングで撮られたものなのか」をチーム内で議論する。そこから想定された答えを、スタジオの機材を使い「自分たちで再構築しながらモデルを撮影していく」というもの。

スタジオの都合上、先に撮影するチームの方が検討する時間が少なく、後半チームの方が有利となるので、その順番でライティングの難易度も上げられていて、課題プログラム的にもよく練られている。

まずグループ内で課題の写真がどのように撮影されているのかを皆んなで話し合う。そこからライティングを思案する。

ちなみにここで皆が使っているのは、五十嵐事務所が開発したライトのセッティングが作れるアプリ。どのようなライトをどの位置から照射するのか、シミュレーションが可能。本番の撮影もこのアプリで記録できるため、再現性も高い。

撮影は、チームごとに一つのライティングではなく、参加者がそれぞれに変更、アレンジを加えていくのもOK。五十嵐さんもそばに立ち、ライティングから、カメラアングル、モデルとのコミュニケーションまで、個別にアドバイスをしながら、撮影が進んでいく。

時折モニターで写真をチェックしながら撮影は続く。五十嵐さんの「正解を言わない、でも絶妙なアドバイス(ヒント)」がありがたい。

やりたい方向性があっても、それが写真に思うように反映されないことはあって当たり前。それを五十嵐さんが汲み取ったり、日々そのような仕事をしている六本木スタジオのスタッフが手際よくセッティングや微調整することで、それがリアルにモニターに反映されるのが「学び」となる。

五十嵐さんから「あと3cm下から撮ってみて」という細かい指示もある。セッティングが同じでも、カメラアングルがほんの少し変わることで、被写体から反射する光が変わり、頬にハイライトが入ってより立体的に見えたり。

ニコン イメージング ジャパンやプロフォト社等数社が協賛し、五十嵐さんが普段仕事で使っているのと同等の機材を参加者も使用。本番と同じ最高レベルの機材で撮影することで、「道具の差はない」「仕事撮影と同じ」という緊張感を経験値を肌で感じることもできたはずだ。

ニコン イメージング ジャパンは「Nikon Z9」「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」を提供。

プロフォト社も様々な照明機材、アタッチメントを提供。

講評と答え合わせ

各チームは撮影が終わると、セレクトやレタッチ作業にとりかかる。

短時間とはいえ、撮影したカットから課題に近い写真をセレクトし、そこから簡易レタッチまで進める。五十嵐さんのアドバイスも受けながら、最終的に発表する「1作品」を詰めていく。

その発表は、写真を見せるだけではない。

課題の写真を見て、そこからどのように光を分析し、どのようなセッティングで撮ったのかを言語化して説明してもらう。
それこそが、「感覚ではなく、理論で光を学ぶ」というロクスタアカデミーのコンセプトでもある。

そして最後には、五十嵐さんの事務所で開発したライトの「セッティングアプリ」を使い、本番で使用された写真の光を五十嵐さんが解説。一見シンプルに見えたビューティフォトが、実は多灯で構成されているなど、プロの見せ方、解説に参加者も興奮気味。

瞳の映り込みでおおそのライトが分析できれば、かなりの上級者。ただ広告等で使用されるビジュアルは、瞳の映り込みまでレタッチするケースもある。

こういう「リアルな学び」ができるのも、クローズドイベントならではと言える。

次回はどのようなテーマで開催されるのか、またお知らせします。

五十嵐隆裕
1980年東京生まれ。
日本写真芸術専門学校を卒業後、2001年アリゾナ州ツーソンへ渡り、その後カリフォルニア→ニュ ーヨークへ。Brooks Institute、I.C.Pを卒業後、リチャード・アヴェドン・ファンデーションでのインターン、伊島薫氏の助手を経て2014 年(株)ゴーニーゼロ設立。2016 年(株)シグノ所属。国内外作家の器のギャラリー「FOOD FOR THOUGHT」のオーナーでもあり、工芸全般に造詣が深い。
https://signo-tokyo.co.jp/artists/takahiro-igarashi/
https://www.instagram.com/520_igarashi/

ロクスタアカデミー
主催:六本木スタジオ
協力:SIGNO
協賛:Nikon/Capture One/Profoto/EIZO/LIGHT UP/TAKE
https://academy.roppongi-st.co.jp/
https://www.instagram.com/roppongi.studio

SHOOTING編集長・フォトプロデューサー

坂田大作

Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。フォトディレクター、エディター、プロデューサー。

Webサイトを運営する傍ら、書籍「SHOOTING FILE」を15年連続で発行。アマナトークラウンジや、日本最大の写真イベント「CP+」で毎年多くのステージを企画・登壇するなど、「写真」を軸に、ウェブ、出版、トークイベント等、メディアの垣根を超えて活動している。
2024年より「写真映像研究会/Image Makers Lab」を主宰。
https://shooting-mag.jp/
https://www.instagram.com/imagemakers_lab/

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