山本昌男展「生物 ≅ 静物」が、ミヅマアートギャラリーで開催される。
開催概要
本展では作家が新たに取り組んでいるアンブロタイプ (ambrotype) という19世紀の写真技法を用いた作品を発表します。ガラス板を支持体とし、濃度の高いコロディオン溶液を塗布した湿板方式の撮影により、美しく精細なガラスネガ作品が生まれます。それを黒い布に乗せると、精細なポジ像が浮かび上がるのです。薬品の塗り方によって見せる絵画的な表情や、印画紙とは異なる物質感もその魅力の一つです。
近年盆栽や木の根、路傍の石に向かい合ってきた山本は、それらのような世界の小さなひとかけら、あらゆるものに宇宙が宿っていることを見出しました。今回アンブロタイプの技法でガラスに映るのは、様々な生物(≅静物)により山本が描き出した絵画のような写真作品です。
本展は台座に一点ずつ展示したアンブロタイプによるガラス湿板写真を中心に、壁面にはガラス湿板を原板に用いたゼラチンシルバープリント、小展示室には様々なシリーズの中から選ばれた作品を展示いたします。
ステートメント
身の回りのありとあらゆるものに、生命は宿るのかもしれない。
自然物だけでなく人工物にでさえ、息遣いを感じることがある。
“生きている”とは、一体、何だろうか?
言語化できるような明確な意味はないままに、好き勝手に、モノとモノを組み合わせていく。
それらのモノで空間が構築されて、そして、私は写真に置き換える。
その刹那的な絵の中では、生物が静物となり、また、静物が生物となったような気がした。
渡り鳥がどこまでも自由に大空を飛び回るように、私も、はっきりとした境界のない世界を漂っていたい。
山本昌男
1957年 愛知県⽣まれ。
⼭梨県在住。
https://www.yamamotomasao.com/
https://www.instagram.com/YamamotoMasao3009/
- ギャラリー名
ミヅマアートギャラリー
- 住所
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
- 開館時間
12:00〜19:00(日・月・祝日休)
- アクセス
JR、東京メトロ 市ヶ谷駅 徒歩3分
- URL