立木義浩写真展「EROTICA LAROTICA」が、コミュニケーションギャラリー ふげん社で開催される。
紹介文
本展は、1972年に発売された写真集『EROTICA LAROTICA(エロティカ・ラロティカ)』(話の詩集、1972)の作品を中心に、ヨーロッパを舞台にした女性のポートレート39点のアーカイバル・ピグメントプリントを展示いたします。
『EROTICA LAROTICA』は、1972年1月にウィーン出身の幻想画家であるディナ・ラロ(Dina Larot)のアトリエを訪ねて撮影したシリーズと、パリのキャバレー「クレイジ ー・ホース」のパフォーマンスを撮影したシリーズの2部構成となっています。
女性同士の官能を描くラロのアトリエを訪ねた立木は、ミューズの女性たちが集い、絡み合い、妖精が悪戯するかのように大胆にのびのびと戯れる様を活写しています。一方で、クレイジー・ホースでは、女性の身体のかたちにフォーカスし、夜に光り輝くダンサーたちのダイナミックな動きを捉えています。
本展ではさらに、『EROTICA LAROTICA』以外の、女性のヌード作品が出展されます。溌剌とした被写体と、その内面にある芯の強さ、彼女たちの生きる力をも感じさせるようなヌード写真は、背徳感を感じさせない明るいエロスであり、その人が持つ自然の美しさを虚飾なしに引き出しています。
『カメラ毎日』編集者で日本写真史に偉大な功績を残している山岸章二が、立木と被写体の女性との関係を以下のように表しています。
「立木とおんなとの出会いは、いつもそんな調子で気軽に、人なつこく、ほろにがく、あとをひかずにくりかえされてゆく」(山岸章二『GIRL』あとがきより)
まるで映画の主人公のように被写体にスポットライトを当て、その女性との出会いをドキュメントとして鮮やかに切り取る立木義浩の真髄を、ぜひご高覧ください。
ギャラリートーク
立木義浩×串田明緒(写真家)
日時:6月4日(日) 14:00〜15:30
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1000円(会場観覧・オンライン配信)
チケット販売:https://fugensha-shop.stores.jp/
(アーカイブ視聴可能期間は2023年7月2日まで)
立木義浩
1937年生。徳島県出身。1958年東京写真短期大学技術科卒。アドセンター入社。
1969年フリーカメラマンになる。女性写真の分野やスナップ・ショットで多くの作品を発表。広告、雑誌、出版などの分野で活躍し現在にいたる。写真集に『イヴたち』『加賀まり子/私生活』『マイアメリカ』『東寺』など、近年では『Tōkyōtō』『動機なき写真』を出版。1965 年のデビュー作『舌出し天使』の写真集を2018年に出版。
串田明緒
写真家、文筆家、演劇企画制作。日本大学芸術学部文芸学科卒。
撮影アシスタントをしていた在学中、「週刊朝日」の表紙モデルになり篠山紀信が女子大生たちを撮る様を撮影し文章に綴った。写真は独学でさまざまな形から学ぶ。
舞台のメインヴィジュアルを数多く手がけ、パートナーである俳優・演出家・舞台美術家の串田和美の創作現場から俳優のポートレイト、歌舞伎、サーカスの作品を紡ぐ。「KABUKI On Stage,Behind the Scenes」Pitt Rivers Museum(イギリス オックスフォード大学内)銀塩プリント永久収蔵。写真集に「拝啓 平成中村座様」「Circus 目を開けて夢をみる」「わたしの上海バンスキング」、雪の中の寒立馬に寄り添う「Talking with the Horses -naked winter-」など。
- ギャラリー名
コミュニケーションギャラリー ふげん社
- 住所
東京都目黒区下目黒5-3-12
- 開館時間
火〜金 12:00〜19:00 土・日 12:00〜18:00 ナイトギャラリー 6月9日 12:00〜20:00 (休廊月曜日)
- アクセス
JR 目黒駅 徒歩15分 JR目黒駅 西口より東急バス(黒01 黒02 黒07)「元競馬場前」下車 徒歩1分
- URL