● 主な仕様

  • 有効画素数:約3630万画素
  • 撮像素子:35.9×24mmサイズ CMOSセンサー(ニコンFXフォーマット)
  • 最大記録画素数:7360×4912画素
  • 記録モード:RAW12ビット/14ビット(ロスレス圧縮、圧縮、非圧縮)/TIFF/JPEG
  • 撮影感度:ISO 100〜6400(最大25600相当まで増感)
  • 動画機能:1920 × 1080:30p/25p/24p、1280 × 720:60p/50p/30p/25p      (60p:59.94fps、50p:50fps、30p:29.97fps、25p:25fps、24p:23.976fps)
  • 動画ファイル形式:MOV
  • 映像圧縮方式:H.264/MPEG-4 AVC
  • 録音装置:内蔵モノラルマイク、外部マイク使用可能(ステレオ録音)、マイク感度設定可能
  • ファインダー:視野率約100%、倍率約0.7倍
  • 記録媒体:SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード、CFカード(Type I、UDMA対応)
  • 画像モニタ:3.2型TFT液晶、約92万ドット(VGA)
  • 大きさ:約146×123×81.5mm
  • 質量:約900g(本体のみ)
  • 本体価格:オープン(実勢価格30万円前後、ボディのみ)

注目を集めるデジタル一眼レフカメラ「NIkon D800」。
広告、ファッションを中心に活躍する笹口悦民さんにD800でテストショートしてもらった。
普段、中判デジタルバックを仕事で使用している笹口さんに最新一眼レフはどう映ったのか。

描写力のテスト

D800の3000万画素以上の描写力というのに驚きですが、実際のところCCDサイズの大きさを考えると、どこまでプロバックに迫れるのかというのが一番の関心のあるポイントでした。数年前にニコン、キヤノンのフラッグシップモデルとプロバックの実力を比較したときは、描写力に圧倒的な差があった事を思い出します。

しかし、今回改めてテストをしてみると、まるでプロバックに迫るほどの実力に正直驚いてしまいました。

D800とほぼ同じ画素数のプロバック(LeafAptus2-75s)を使って、同じ被写体(小さい文字の本とカラフルな本など)を適正露出、ISO100で撮影をしました。その時の小さな文字の分解力、カラフルな色の分解力、質感の表現力に注目して下さい。



まず小さな文字の分解力ですが、プロバックの方が若干文字がシャープに表現されています。しかしニコンD800もほぼ同程度までクリアーに文字を確認できると思います。数年前までは全く判別不可能なレベルだった事を考えると驚きの進歩です。十分に大きな印刷物まで使える描写力を持っている事が確認できました。

次にピンクの壁の前に木のオブジェがある写真ですが、オブジェの木の表面のディテールに注目して下さい。プロバックの方が質感に立体感が感じられます。同じくピンクの壁のディテールも立体感の表現力に違いが認められます。このあたりの表現力の違いに、カメラを選択するときの注目点があるように思います。

例えば人物を撮影するときは、プロバックに比べてD800の方が髪の毛一本一本のディテールはどうしても省略された描写になると思われます。また肌表面の角質などの微妙な質感をキャプチャーするのは難しいかもしれません。しかし反対に考えると省略されている分、肌はきれいに見えるという利点もあります。

色の分解力に関しましては、ニコンの特徴として彩度が高めに表現される傾向があります。撮影後の色調整を前提としている写真家がほとんどだと思いますので、その際に彩度が高すぎて印刷の許容範囲を超えてしまうかもしれません。プロ仕様のカメラにはもう少しナチュラルな彩度の表現を求めたいと思います。

結果としまして、D800は十分コマーシャル写真の現場で使える実力を備えているカメラであると言えます。質感の描写力、立体感にこだわった撮影をする場合はやはりプロバックに頼る必要があります。



撮影感度のテスト

次はISO6400まで設定可能な撮影感度のテストです。
さすがに6400では相当ノイズが出る事が予想されますが、実際のところどこまでが実用域なのか、シャドーのノイズをしらべてみました。同じ被写体を露出は適正露光でISO100からISO6400まで段階で撮影しています。



結果としましてはISO100からISO400までは若干のデータの劣化は確認できますが、見た目で目立つノイズなどはありませんでした。ISO800になるとシャドー部にノイズが発生してきますが、描写としましてはまだ実用域と判断できます。被写体の質感が重要な場合は、ノイズのため表面がざらついた感じに見えるので、さけた方がいいかもしれません。
ISO1600以上になるとさすがにノイズが目立ってきますので、この感度以上をどうしても使用しなければならない場合、もしくは意図的にノイズを発生させたい場合以外は実用には不向きだと判断できました。

まとめとしまして、商業写真のクオリティーを求めるのであれば(被写体の質感や印刷を前提とした質の良いデータ作成など)、ISO400までの撮影感度であれば問題ないと思われます。条件が厳しいときなどはISO800くらいまでの感度域を一時的に使用する事も可能でしょう。しかしISO1600以上はよほどのデータの劣化を覚悟した方がよさそうです。



モデルのポートレート撮影




インプレッション
感度は標準的なISO100でシンプルなポートレイトを撮影しました。カメラの操作性は普段Nikonを使っている方ならスムーズに操作できます。普段キヤノンに慣れている場合は、フォーカスの送りやダイヤル、ボタン操作の位置が違っていたりするので、最初は戸惑うと思います。
写真を見て頂ければわかると思いますが、描写は非常にニュートラルで優秀です。このあとレタッチをする事を前提にしても、十分な情報量がありました。100%に拡大したデータをみても、まつ毛や髪の毛描写、肌の質感がしっかりと出ているので、かなりクオリティの高いプリントができそうです。これだけを見るとほぼ中判のデジタルバックと同じくらいに感じます。



ISO6400撮影

次にわざと意地悪なテストをしてみました。
あえて薄暗い低照度の環境下で、ISOを6400で正面からのライティングと逆光でのライティングでの描写を試しました。

  •  ▲確かにノイズ、コントラストともに強いですが、6400という超高感度を考えるとかなり優秀な結果だと思います。
  •  ▲逆光にてさらに厳しい低照度下では中間調から暗部にかけてかなりのノイズがのってしまいます。
    やはりこのような条件下の場合はシャッターか絞りを犠牲にして出来るだけ低感度の設定で撮影しなくてはなりません。


ムービーテスト

暗めのシチュエーションを作り、Dムービーでもテストシューティングしました。
「Short short Movie」のコーナーに掲載しているので、そちらもチェックして下さい。
http://shooting-mag.jp/movie/image/00268.html



メイキング


  •  ▲左/解像度テストの撮影。LeafAptusのレンズは80mm、D800は50mm(いずれもISO100で撮影)。
    右/風をおこしながらオパライトで撮影。
  •  ▲D800でムービーを撮影する笹口さん。左サイド、ブラインド越しに光をあてて、そのシルエットも撮影。

■CREDIT
Model:Karin(Bellona Model Agency)
Hair&Make:Machiko Yano
Studio:Sasaguchi Photo Studio

■ ニコン
http://www.nikon.co.jp/