大和田良 個展「TYPE」が、hpgrp GALLERY TOKYOで開催される。

印刷の母型を被写体としたシリーズ。以前に発表されているものはあったものの、個展としてまとまったかたちで展示するのは、今回が初めて。

ステートメント
骨董品を見て回るうちに出会った被写体のひとつがこれらの文字、数字が彫られた金属板だった。
当時紙幣を扱った「Banknotes」など印刷に関心を持っていた私は、すぐにこれらを撮影の対象とすることを決めた。
撮影を進めると共に、印刷に詳しい様々な方にこの長辺5cm程度の金属板が一体なんなのかを聞いて回る。
結果的にこれらはベントン彫刻機で用いる母型であろうということが分かった。ベントン彫刻機というのはこれらの母型をなぞりながら実際印刷に用いる活字を彫刻することができる機械で、戦前から戦後にかけて積極的に利用されたものだ。
ただ今回撮影に用いたものは長体であったり、文字に不完全な部分があり実際の印刷に用いられたものではないと思われる。
想像するに、彫刻師の練習用に作られたものではないだろうか。しかしながらその不完全さというものに、より緻密さを求める職人の技術の表れが感じられる。使われることがなく、また長く印刷工場で廃棄されることもなく倉庫に眠っていたものを骨董商が拾い上げ、結果的に自分が撮影することで今一度現在において写真として肉眼では見えない細部まで顕在化することは、文字や数字というものが持つかたちとしての美しさや手による工芸の記録が表れている。
また彫られたそのかたちからは一枚一枚にある物語と共に、具体と抽象ということについて考えさせられるように思えた。

展示会風景

展示会情報

hpgrp GALLERY TOKYO
http://hpgrpgallery.com/tokyo/

ギャラリー名
hpgrp GALLERY TOKYO
住所
東京都港区南青山5-7-17
小原流会館 B1F
開館時間
12:00 - 20:00
月・毎月最終日曜日休み
アクセス
東京メトロ 銀座線 千代田線表参道駅 徒歩5分