田中長徳写真展「WIEN 2グラムの光 1973-1980」が、ギャラリー・バウハウスで開催される。

1973年から7年半のオーストリア滞在中に、ウィーンの街を撮影した膨大なネガからセレクト、構成した写真展。
このウィーンでの時代を経て、ニューヨーク、プラハ、東京と、以降様々な都市でスナップ撮影を続ける作家による極めて初期の作品群を新たなプリントとして制作。モノクローム(ゼラチン・シルバー・プリント)作品約40点を展示する。

古都ウィーンで「光の質量」を計測した七年半

今回展示するのは私の作品群の中ではヨーロッパ滞在の最も初期の仕事です。
これらは1973年から1980年の7年6ヶ月間に撮影しました。その時のモノクロームの仕事を今回ご覧に入れます。二千本のネガから選んだものです。
「2グラムの光」というのはいささか難解なタイトルですが、これは実際のフィルムの重さとか印画紙の重さではなく、バロックの闇とゴシックの影、つまりウィーンの、光の存在を形而上学的に換算するとこうなるという一種の諧謔の遊びの訳です。
作品は古いライカ、ニコン、そしてソ連製のキエフ等で撮影しました。レンズは主に20mmから1100mmまでのソ連製レンズを使いました。最も愛用したのはジュピターというソ連製ツアイス・レンズのコピーで、これが後年「木星珠倶楽部」を産んでいます。
フィルムは期限切れの東ヨーロッパ製の映画フィルムを使いました。フィルム用の現像液が買えなかったので、現像液は印画紙用を希釈して使用するというかなり変則的な方法を用いました。
40数年前の古いネガですが今改めてプリントし直してみると、自分が忘れていた光の記憶がそこによみがえってきます。  
田中長徳

1947年 東京都生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒。
日本デザインセンター勤務を経てフリーランス写真家となる。
1973年から7年間ウィーンに滞在。日本人写真家の巡廻展「NEUE FOTOGRAFIE AUS JAPAN」に参加。
文化庁派遣芸術家として、MOMA(ニューヨーク近代美術館)にてアメリカの現代写真を研究。
個展多数。
『銘機礼賛』『屋根裏プラハ』『LEICA, My Life』など著書は125冊に及ぶ。

展示会風景


Wien 1973 ©Chotoku Tanaka

展示会情報

ギャラリー・バウハウス
http://www.gallery-bauhaus.com

ギャラリー名
ギャラリー・バウハウス
住所
東京都千代田区外神田2-19-14
開館時間
11:00~19:00 日、月、祝日休
入場無料
アクセス
JR、東京メトロ(丸の内線)御茶ノ水駅下車 徒歩6分