CDジャケットなど、音楽シーンで長年活躍中のアートディレクター・信藤三雄さんが、フォトグラファー「シンドウミツオ」として初めての写真展「graphical photography by mitsuo shindo」を開催する。

グラフィックデザイナーとしての知名度の高い信藤さんは、実は既に多くのCDジャケットの撮影をしている。今回は「25年目の写真家宣言『気分は新人です』」の言葉通り、フォトグラファーとして撮影した数多くのアーティスト、ミュージシャンの写真が展示される。


コンテムポラリー・プロダクションを率い音楽シーンをデザインしてきた男・信藤三雄。彼がアートディレクター、グラフィックデザイナーであると同時に"写真家"であることはご存じだろうか。「そんなこと、もちろん知ってるよ!」。そんなふうに言う人はきっと多いだろう。しかし、「え、そうだったっけ?」そんなふうに思うボンヤリさんが多いのもまた事実。彼がデザインしたCDジャケット等のクレジットをよく見てほしい。「Photograph by Mitsuo Shindo」と書かれているものがかなりあるはずだ。最近では、AKB48の39枚目のシングル「Green Flash」のジャケットもそう。巨大ビルボードにもなったあの印象的な顔アップ写真も信藤三雄の仕業である。

信藤三雄の"写真家デビュー"は1990年、フリッパーズ・ギターのアルバム『カメラ・トーク』であった。アートディレクターとしてパリでの撮影を計画し、当初は三浦憲治の撮影で考えていたという。しかし、スケジュールの都合で三浦のパリ行きが中止に。「信藤さんが撮ればいいよ」と三浦からカメラと35ミリフィルムを借り受けた。それまで意識的に写真を撮ったことのなかった信藤は、そこで初めて写真を撮る楽しさを知ったという。

その後は、仕事の現場で名だたる写真家たちを"師匠"に「撮り方」を学んでいく。三浦憲治からは「絶体絶命!どんな状況の中でもピントを外さない凄さ」を、田島一成からは「写真に文字を入れさせない構図の強さ」を、鶴田直樹からは「モデルへのポージング&多様なライティング」を、そして荒木経惟からは「貪欲な姿勢」を。

2015年、なぜいま信藤三雄がシンドウミツオとしての"写真家宣言"をするのか。彼は言う。「人はぼくをアートディレクターというジャンルでしか評価しない。だから写真もその一部分であると思われてしまう。でも本当は、写真は写真として見てもらいたいんです。もっといえば、ぼくは巨匠でもなんでもない。ぼく自身はそんなふうには思ってないんです。だから、もっと身軽に仕事をしたいし、シンドウミツオとして写真も撮りたい、そう思った。雑誌のファッションシューティングだって頼まれればやるし、旅写真を撮ってと言われればロシアでもどこでも行く。ファインダーを覗けば怖いものなんてなくなるから戦場カメラマンだってできるかもしれないよね(笑)。とにかく気分は新人。身軽に写真だけを撮ってみたいと思ったんです」。

さあどうですか。写真家シンドウミツオを再発見してみようじゃないですか。

辛島いづみ

展示会風景


 

展示会情報

AL 1F main space
http://www.al-tokyo.jp/

ギャラリー名
AL 1F main space
住所
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17-1F
開館時間
12:00〜19:00(最終日のみ17:00まで)
アクセス
東急東横線 代官山駅 徒歩5分