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最近、とても気になっていることがあります。

展覧会のオープニングや早い段階で、作品をばしばしスマホで撮影し、
「〇〇さんの個展にきました!」 「○○さんのオープニングです!」的なツイートと一緒に、
展覧会の作品をたくさんアップする人が増えています。

はっきり言いますが、これはよくありません。

我々のようなメディアには、たくさんのプレス写真が送られてきますが、掲載するときはそこから選んでいます。

もちろんSNSにアップしたからといって、プリントのクオリティや質感が伝わるわけではありません。しかし自分が展覧会を見に行く前に、ほとんどの絵柄が分かってしまうのは「サプライズ」がありません。

DMもSNSにあげるのも、「展覧会に来てくださいね」というメッセージであって、ネットで完結したいのであれば、作家が全部あげているでしょう。

「知り合いだから」「友達限定公開だから」と言っても、そこには共通の友人や関係者が多くいて、先に作品(絵柄)を見てしまう、見せられてしまう、ことになります。

写真をたくさんアップしてる方に悪気はないんです。

作家も知り合いなので、好意で投稿してくれている方に「削除してくれ」とまでは言えないでしょう。でも「まいったな。」と思われている方も、少なからずいると思います。

SNSもメディアなんです。それを意識してほしいです。

自分が会場でその作品を見て、様々な感情が芽生えたように、まだ会場に足を運べていない人のためにも、「SNSで全部見せ」と言う行為は控えて欲しいなと思います。

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藤代冥砂写真集「あおあお」が、赤々舎から発売されている。

藤代さんが、沖縄に移住した5年間に撮り溜めたものの中からの構成。

この写真集にはまぎれもなく「現在の南国」が写されており、
過去の辛い歴史を背負い、また米軍移設基地や様々な問題は脳裏の隅に追いやられ、
湿度の低い、さらりとした空気を吸いに、今すぐ南国に出かけたくなる。

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「風景写真集」と呼ばれるものは、無数に出版されており、
「うまい風景写真の撮り方」の教科書本やワークショップも山のようにある。
でもこの写真集を見ると、マニュアルで撮られた風景写真とは異なる写真家・藤代冥砂が「そこに存在した痕跡」を強く感じる。

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世界中の美しい風景は人々によって切り取られ、日々SNSにアップされる。
クラウド時代に「紙の写真集」を出す意味は、
「その人の視点で切り取った」こと、そこに共感するかしないかだけだと思う。

「空のあお」と「海のあお」に挟まれると、人間なんてちっぽけな存在だ。

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『あおあお』藤代冥砂
定価:2,600円(税抜)
仕様:B5変型(188×257mm)/104ページ/ソフトカバー
アートディレクション:塚原敬史(trimdesign)
 
AKAAKA
http://www.akaaka.com/events/ev-160707-fujishiro.html

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JPS(日本写真家協会)・創立65周年記念写真展『日本の海岸線をゆく-日本人と海の文化』を観た。
65周年事業の核となる今回の写真展は、日本の海岸線を手がかりに、日本の「今」を見つめ直してみようというもの。

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会場は、東京芸術劇場内ギャラリー1とギャラリー2。
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JPS展というと、キレイな風景写真が並ぶイメージがあったが、地域ごとに分けられた日本の海岸線に沿い、その地域の文化や産業から、そこで暮らす人々の表情、歴史や民俗が写し撮られていた。

いやいや、これはすごい!
JPSの総力を結集した写真展じゃないですか。

東京展が開催されたのは、3月1日〜3月13日。ちょうど3.11震災から5年の時期と重なり、震災への想いと島国日本の姿を再認識するよい機会だったと思う。

出展作家も早々たるメンバーが並び、世間的にもっと話題になってもよいなと感じた。

印象に残った作品を2つ紹介する。
(作品に近づいての撮影は不可なので引きのカットから少しトリミングしています)

一つは、1968年に熊切圭介さんが撮影された「敦賀原子力発電所建設工事」の写真。

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先日、大津地方裁判所による「高浜原発、運転差し止め仮処分」が決定されたが、敦賀原発もその近く。

国内で2番目の商業用原発として1966年に着工され、その建設途中の工事現場を撮影されている。
大型クレーンに掲げられた「安全第一」のスローガンが、今だから無性に気になる。


清水哲朗さんの作品「明けない夜はない」。

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2014年に宮城県・石巻の漁港で撮影されたこの写真。
多くの漁船でにぎわっているように見えたが、実際は他の港の復興が進んでおらず、ここに停泊している漁船もあるという。

島国日本は、海と共存して生活しているわけだが、やはり震災関連に目がいってしまう。

東京展は終了してしまったが、これから横浜、京都を巡回する予定なので、都合のつく方は、是非ご覧下さい。

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会場にいらした熊切大輔さんと。熊切さんの作品は、急激に姿を消しつつある銭湯の写真。

 
特設サイト(開催スケジュール)
http://www.jps.gr.jp/65/index.html

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みなさんは、「デジコン」や「コンセ」という言葉をご存知でしょうか。出版や印刷に携わる方には馴染みの用語だと思います。

出版物のようなページ数の多い本を印刷する際に、本機校正がベストですが、コストを抑えるために多用されています。

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コニカミノルタが、「Digital Konsensus Pro」機器の販売終了を発表したのが数年前。
参照:
http://www.konicaminolta.jp/business/products/graphic/proofer/digital_kon_pro/index.html
別機種(Digital Konsensus Premium)は販売されているようですが、ペーパーの原材料高の影響?もありデジコンでの色校は減っていくと思われます。

今後はインクジェット出力等のDDCP「Direct Digital Color Proofing(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフィング)」に、置き換わっていきます(導入・稼働している所もあるでしょう)。

コニカミノルタも、インクジェットプルーフを推奨していると思われます。
参照:インクジェットプルーフ コントローラー「Falbard AQUA」。
http://www.konicaminolta.jp/business/products/graphic/proofer/falbard_aqua/index.html

気になるのは、印刷を前提とした色域の色再現、紙質、コスト、時間です。

昨年11月に「MdNフォトグラファー+レタッチャーファイル2016」を企画・販売しました。
参照:
http://www.amazon.co.jp/dp/4844365541/

このMOOKは576ページあり、すべてのページで色校(デジコン)を出してチェックしています。色が命の本なので、色校を出さないで、一発入稿責了は考えられません。

コストが上がれば、制作費原価が上がり、本の価格にも影響します。安くて品質がよければいいのですが、今後どうなるのか、推移を見守りたいと思います。

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新年のご挨拶

January 01, 2016

新年あけましておめでとうございます。

昨年は五輪エンブレム問題に端を発し、デザイン、写真等の商業分野での著作権への意識がとりだたされました。

以前にも増してコンプライアンス遵守が求められる時代。引き続き、自分に、自分たちにできることを考え、提案していければと考えています。

本年も「SHOOTING」をよろしくお願い申し上げます。


2016年1月1日
SHOOTING編集長 坂田大作


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サントリー オールフリーのキャンペーンHP
 
 
「佐野研二郎デザイン」として、現在行なわれいる、サントリーオールフリーのトートバックプレゼントキャンペーンで問題が生じている。
もともと30種類あったものから、「佐野氏側から8種類の賞品を取り下げを要請し、発送を中止した」というもの。「第三者のデザインをトレース」と事務所HPには書かれてあるが、要するに引用したわけである。

ポイントは「佐野研二郎デザイン」とサントリーのWebサイトに書かれてあるが、実際は佐野氏がデザインしていなかった。デザイン自体が、第三者のデザイナーのものを引用していた、という2つ。
佐野氏がデザインしたものと思って商品を購入し、応募しようとしていた消費者が一番残念な思いをしているのではないだろうか。そして、佐野氏がデザインしていたと思っていたサントリーや広告会社も被害者かもしれない。

スタッフにコンセプトを投げ、デザインさせたものの、「まさかそんなことをするとは、微塵も思わなかった」佐野氏も、ある意味(内部的には)被害者かもしれないが、「佐野研二郎デザイン」と銘打ってプレゼントされる賞品である以上、対外的には引用したデザインを自分の作品としてビジネスをしていたわけだから、チェックが甘かったと言わざるを得ない。


デジタル時代の著作権の意識。そしてパクリとオマージュ。

問題は「一流と評価されているアートディレクターの事務所のデザイナーでさえ、著作権の意識がまるでなかった」ということ。

よそから取ってきた画像を引用し、「佐野研二郎デザイン」として、一流企業である「サントリーの仕事」として提案する。これ、普通だったらビビってできません。そういう意識すらないから、堂々とできるわけです。
本案件について、「どういう発想でデザインしたのか」「素材はどこから手に入れたか、撮影したのか」、広告会社やクライアントへ提案する以前に、そういうやりとりがなかったなら「佐野君、丸投げしすぎやん」と思うし、そこで虚偽の発言をしていたら、スタッフの罪は重い。

今の時代、ネットから無限の情報を得ることができるし、まったくの無から何かを生み出す方が難しい情報化社会。だからこそ、先人が作ってきたものには、リスペクトとオマージュが必要です。
有名無名問わず、誰かが制作したものをそのまま引用することは、一番やってはいけないこと。それも仕事ならなおさらです。

今、必要なのは、デザイン学校や写真学校でまず「著作権」をきちんと教えること。能力はともかく、Macやデジカメがあれば、学校に行かなくてもデザイナーやフォトグラファーになれる時代ですが、「表現を生業とする」職業については、各種専門学校や大学、デザインや写真関連団体も、「著作権」の意識を今まで以上に教えていくべきだと思う。


写真の著作権と二次利用

最近、写真データの二次利用についても、色々問題が発生しています。
例えば、雑誌を電子書籍化した際のコンテンツの二次使用料の支払い。雑誌で撮り下ろした写真をそのまま、企業のカタログに使い、クリエイターに二次使用料が払われない、もしくは微々たる金額しか提案されないケース。
また、あるカタログのために撮影したものが、そのビジュアルの評判が良く、予定していない媒体(例えばビルボードやWeb展開)に発展したのに、ちゃんとした二次使用料が支払われないケース。
これはクリエイターサイドだけでなく、企業、広告会社、出版社等にも、検証してほしい問題です。

嗅覚と触覚が必要なコンテンツ以外はデジタルデータ化され、ネットで流通する時代。それが当たり前の世代がどんどん社会に出てきている今、早急に著作権という意識を根付かせないと、これから先、このような問題がさらに増えていく気がします。
 
 
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米国のデザイナー、ベン・ザラコーさんがデザインしたものと、サントリー オールフリーのキャンペーン商品を比べたサイトから引用。
 

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「日本では写真(オリジナルプリント)が、なかなか売れない」。これは、現在も続いている状況です。

その中で、ここ1〜2年の動きで気になったこと。それは、俳優やモデルの「オリジナルプリントが売れ始めている」、ということです。

今までは俳優、モデル、タレントの写真は、写真集を買うという選択肢しかなかった。
それは、著作権、肖像権の問題であったり、何より「写真を売る」という発想そのものがあまりなかったように思う。

2013年頃から、グラビアアイドルではなく、俳優の写真を、写真家のテイストで切り取り、プリントにした写真を販売する、という方向性が出てきた。

下記は、「SHOOTING」で紹介した展覧会の一例。

木寺紀雄 × 早見あかり (2015年6月5日〜2015年6月17日)
舞山秀一 × 杉本有美 (2015年4月29日〜2015年5月6日)
鈴木光雄 × 青木玄徳 (2014年12月2日〜2014年12月14日)
松田忠雄 × 杉本有美 (2014年3月29日〜2014年4月13日)
桑島智輝 × 安達祐実 (2013年9月14日〜2013年9月23日)

写真集は、購入後は、本棚にしまいがちですが、額裝されたプリントなら、好きな場所に置いて、毎日眺められる。

より生活の中に、写真が溶け込みやすくなります。

しかも聞く所によると、モデルになっている被写体のファンはもちろん、写真家のファンが購入するというケースも少なくない。

50万円の海外作家のプリントはかなりハードルが高いけれど、3〜10万円程度の金額であれば、なんとか手の届く範囲でもある。

日本で「プリント販売」の市場を拡げるための方法として、こういったファンが購入する
「ファン・プリント」は、一つの選択肢として、ありだと思う。

これから始まる木寺さんの展覧会「しろとあかりといろ」は、まだプリントの販売価格が決まっていないようだが、注目したい。

橋本マナミさん、小嶋陽菜さんあたりは、狙い目かも。
 

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今週、伺った展覧会、渡邉肇「『人間浄瑠璃』写真展 第一回文楽至宝尽(ぶんらくしほうづくし)の段」、瀧本幹也写真展「GRAIN OF LIGHT」。

「『人間浄瑠璃』写真展は、文楽の舞台裏を中心に撮影されたドキュメンタリー。「人形浄瑠璃」の歴史や演者の方々の知識がなくてお恥ずかしい限りだが、それでも写真から気迫が伝わってくる。稽古の時、本番前後の緊張感...は、まさしく人間浄瑠璃。

プリントの光沢感から、「フィルム撮影+印画紙」だと思っていたら、デジタルカメラ(ニコンD3S)で撮影されているそう。
やはり舞台や暗い照明の中では、フィルムの感度では厳しいとのこと。

ペーパーは、マジックリーの「シルバーラグ」というタイプ。表面のエンボス感、光沢感がバライタ印画紙にそっくり。銀塩プリントと間違える人は多いと思う。


渡邉肇さん。


会場のESPACE BIBLIO(御茶の水)。カフェも併設されている。


瀧本幹也写真展「GRAIN OF LIGHT」。
「SHOOTING」で紹介した際には、写真(画像)データから、キラキラ波の反射が眩しい光沢系のプリントを想像していたけれど、実際のプリントは、ディープマット(たぶんフジカラー)でした。

プリントを見た瞬間、白波よりも紺碧のグラデーションに眼が奪われる。暗い青、さらに暗い青。その色の変化で、急に水深が深くなっている様子が伝わり、ちょっと怖いくらい。
ペーパーの選び方一つで、印象がすごく変わる。

Webサイトで展覧会情報を発信してはいるけれど、それはきっかけの一つ。オリジナルプリントを見ることで、色々な発見があるので、やはり「プリントは生で見る」に限る。
できるだけそういう時間を作って、会場に足を運びたいと思う。


会場:MA2 Gallery


渡邉肇「『人間浄瑠璃』写真展
http://shooting-mag.jp/news/exhibition/00718.html


瀧本幹也写真展「GRAIN OF LIGHT」
http://shooting-mag.jp/news/exhibition/00716.html

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新年のご挨拶

January 07, 2014

新年おめでとうございます。
今年も「SHOOTING」をよろしくお願い致します。

さて、年末年始休暇に「『SUPERな写真家』レスリー・キー」を読みました。
彼の生い立ち、ユーミンへの憧れ等、知っている事も多々ありましたが、昨年、彼が逮捕された事件について、その逮捕時の状況から取り調べの様子まで、詳細に語られていました。



 
判型:B6変型
ページ数:180ページ
発売日:2013/09/26
定価:987円(税込)
出版:朝日出版社


芸術かポルノか。これは永遠のテーマです。
昨今、インターネットの普及で、エロ画像や猥褻な動画、児童ポルノなどがネットに氾濫しています。
そんな状況の中で、アートギャラリーの一角で男性モデルの性器が写った写真集を6冊販売したとして、レスリーやギャラリー関係者が逮捕されたのは、世間に対する見せしめと言うか、結論ありきの逮捕劇に見えます。
警察がわいせつと判断すれば、交渉や説明の余地はほぼない。この状況には危機感を感じざるを得ません。

そういえば最近、コンビニの成人向け雑誌コーナーがなくなったり、週刊誌からヌードグラビアページがなくなったり、いつの間にか、一般のメディアからヌード写真がどんどん減っています。
Facebookに上げていたヌード写真も、FB側の判断で(おそらく乳首が見えているから)自動的に削除されてしまいました。

直接的な関係はありませんが、昨年、政府が性急に成立させた「秘密保護法」についても、チェック機関があるとは言え、「知る権利」「報道の自由」を侵蝕される怖れがあります。

21世紀は、オープン、透明性が求められる時代だと思いますが、国の判断で勝手にものが言えなくなるのは、時代に逆行しています。
アート作品だけでなく、ものづくりの環境や市場が萎縮しないよう、「SHOOTING」も、オープンにどんどん発信していけるメディアでありたいと思います。
 

2014年1月7日
SHOOTING編集長 坂田大作

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宮原夢画写真展「散華 sange」、渡邉肇「文楽っ?人間・人形 映写展」、腰塚光晃プロデュース「THE KIMONO NEW LOOK『Elly & Oby』」。
今年前半、まだ1/3しか経っていないが、自分が観て気になったこの3つの個展について。

「散華」とは、仏を供養するために華を散布する儀式。池坊の家元で花について学び、作品を制作した宮原さん。
日本の伝統芸能である人形劇の人形浄瑠璃=文楽と、人形遣いの吉田簑助師(人間国宝)、桐竹勘十郎師の動きに焦点をあてた渡邉さん。
日本発信のファッションフォトを考えた場合、その源流となる「着物(プロダクト)から制作する」という発想で『Elly & Oby』を立ち上げた腰塚さん。
自分と世代が近い三氏の個展やプロデュースした仕事を俯瞰してみると、そこには「和の心」「日本文化」というキーワードが浮かんでくる。
ルーツというか、日本文化を意識するのは、ある種「必然的な流れ」かもしれない。
  
ファッションフォトの分野で言うと、日本では本当の意味でのハイファッションを撮るのは、モデル、服等、色々障壁があって、中々難しいのが現状です。
私がごちゃごちゃ言うよりも、腰塚さんから届いたメッセージをここに掲載しますので、読んでください。
 
 
そもそも自分はHI FASHIONを撮るために写真家になった。
それは、セレブやメジャーなブランド撮ることじゃなく、世界のどこにもない新しい女性像を見たことない写真で表現することだった。
日本にいる中で、真のHI FASHIONを撮る機会にはなかなか巡り会えず、その答えを10年以上ずっと模索してきました。
その答えが「着物」なんです。

江戸にさかのぼれば、万人が着物を来てそれこそ世界のどこにもないスタイルが沢山あったんです。花魁とか歌舞伎ものはその頂点にいたはずです。
なのに、日本人はそのほとんどを捨て、西洋に憧れ、一気に洋服に変えてしまった。
そして、多くにのファッションピープルはいまだにパリコレに憧れ、そこを頂点ということにしている。

本当は世界で一番最初にモードが生まれたのは、江戸初期に着物の柄を民衆が流行として追ったことで、パリのモードはそこから100年後なんです。
今シーズンのプラダは着物がテーマです。むしろ西洋の人が「日本の美」をフューチャーしているのに、日本人がそこに目を向けず、外に気が行き過ぎている。

昭和に入り、着物の着付けは大きくいえばひとつのスタイルに固定されています。本当はもっと自由で、気易く、かっこいいHI FASHIONのはずなのです。
だから、自分たちの着物ブランド『Elly & Oby』で江戸の続きをやって国内外に発信していきます。
そして、自分の撮る写真は、写真がなかった時代の美人画に代わるもので、自分とっての「HI FASHION」なんです。

腰塚光晃


THE KIMONO NEW LOOK「Elly & Oby」情報
http://shooting-mag.jp/news/event/00494.html

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伊島薫写真展「You are beautiful」と、玉川竜写真展「absolutely anonymous by Ryu Tamagawa」。先週この2つの展覧会を観た。

伊島さんの「You are beautiful」は、8000万画素の超高解像度デジタルバックIQ180で裸体を分割撮影。それを縦位置で繋げ、2.40m x 9.36mという巨大サイズの作品として展示。雑誌サイズや20〜30インチのPCモニタでは表現できない巨大かつ高精細な写真に圧倒された。


設営中のスナップ(伊島さんFacebookより)
  
  
玉川さんの作品は、全て一発撮り。モデルのポージングはある程度、演出していると思われるが、ロケでの光のあたる時間、場所、角度。モデルが吐き出す予測不可能なタバコの煙の形...。
伊島さんも玉川さんも沢山カットは撮っているかもしれないが、共通しているのは一発撮りという点。


(玉川さん展覧会作品から)                                          
     
伊島さんの写真も、圧倒されたのは単に大きいからではなく、瞳の奥の写り込み、吹き出物、脇のヘア、整っていない足の親指の爪...、ありのままの「リアルな体」だからだった。これがレタッチされた写真なら、「大きく伸ばされたキレイな写真」というだけで、それほど印象に残らなかったと思う。

現在、世の中に出回っている広告、雑誌、アーティスト写真は、多かれ少なかれほとんどレタッチされている。制作者側も見る側も、「キレイに見える整った写真」を「普通」に受け入れている。

デジタルカメラやレタッチソフトの進化によって、誰でも簡単に写真が撮れ、修正や合成ができる時代。作品に関してのポイントは「シャッターに集中」した「ノーレタッチ」又は「やりすぎない修正」にとどめた写真だと思う。

「感じた瞬間を切り取る」という写真を撮る行為、本来の役割に原点回帰していくのではないか。私個人は、部分ごとに彩度やトーンが調整された整った風景写真や、ツルツルで質感のないポートレイトよりは、リアルフォトに惹かれる。

「デジタルカメラ+インクジェットプリンタ」VS「銀塩フィルム+印画紙」と言うツール的な軸ではなく、(気持ちの問題も含めて)「リアル」にこだわるのかどうかが、これからの作品制作のポイントだと思う。

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新年のご挨拶

January 02, 2013

新年あけましておめでとうございます。

昨年は12月に衆議院選挙が行なわれるなど、慌ただしい年の暮れでした。

写真業界では、鋤田正義さん、操上和美さん、篠山紀信さんなどの巨匠の展覧会が続きました。
一方で、レスリー・キーさんを中心とする中堅も、目覚ましい活動を続けています。

機材面では、デジタル一眼レフやミラーレス一眼がさらに進化を遂げ、高画素、高感度化が続いています。
映像系では3Dブームが去り、4K以上の超高解像度の撮影機材、編集、モニタが注目を集めています。

ただいくら機材やソフトが発達しても、結局使いこなすのは人間です。
「SHOOTING」では、新しい機材やソフトの動向に注目しつつ、「表現」や「人」に焦点をあてていきます。

本年も「SHOOTING」をよろしくお願い申し上げます。


2013年1月2日
SHOOTING編集長 坂田大作


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宮本敬文さんが、4年間に渡り操上和美さんを追い続けたドキュメンタリー映画「The Moment. 写真家の欲望」を東京都写真美術館で観た。

70歳を超えても現役バリバリな操上さん。仕事関係者以外は、なかなかお会い出来ない写真家の素顔が垣間見れるという意味でも、貴重な映像だった。

宮本さんは、全篇デジタル一眼レフカメラで撮影されていて、引きの絵は美しい。特に北海道の雪原を疾走している2頭の馬を、操上さんが撮影しているシーンにグッときた。

でも映像美以上に、今回印象に残ったのは、操上さんの言葉。

「光の反射に自分も反射する」
「毎朝、窓を開けて空を見上げる時、自分の美意識が起動する」
「(北海道の)農家で終わるのではなく、写真家になれば、色々な場所に行けると思った」
「写真が好きだからではなく、写真家という職業を選んだ」等々。

「朝起きて空を見た時、それが雨でも曇りでも、その空が美しいと感じるから写真が撮れる。逆に言うと、何も感じなくなったら、シャッターはもう切れない」。
常に光を体で感受している写真家らしい言葉だと思う。

おそらく操上さんの事務所だと思うが、ランダムに配置されたランプが点滅し、そのボタンを押していくという、いわゆる「動体視力」を鍛えるための装置があって、それを操上さんが練習しているシーンが出てくる。写真家にとって、眼は命。年齢を重ねるなか、そういう努力をされていることにも敬服した。

一方、宮本さんのカメラワークもすごい。常に寄っている。これはもう操上さんの奥さんよりも近い間合いに入っていて(笑)、その言葉、仕草、目線、全てを汲み取ろうとしているかのよう。

一眼レフの浅いピントを活かしたボケ感が、全篇に渡って活かされている。顔から、手先の仕草に寄って、また顔に戻る。このピントの移動をピシャリと決めるのは、相当慣れていないと難しいだろうと思う。
(というか、宮本さんがフォローフォーカスで距離を合わせる練習をされているのを、以前から伺っていたので)。

編集は、「アクティブ・シネ・クラブ」でされたそうだが、宮本さんの事務所でも編集できる体制もある。

正直、「眠くなるかな」という予想は裏切られ、最後まで惹き付けられた映画だった。


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新年のご挨拶

January 02, 2012

新年明けましておめでとうございます。

昨年は東日本大震災を経験し、日本にとって辛く厳しい年になりました。
自分自身は昨年4月に出版社を退社。
6月に独立、7月に「SHOOTING」の創刊と、
2011年は、人生において忘れられない1年となりました。

SHOOTINGにおいては、これからも「表現」と「技術」を両輪として、
昨年以上にコンテンツを充実していくつもりです。

写真・映像業界は、デジタル技術の進歩が著しいですが、
テクノロジーを享受しつつ、
でも表現の本質を重視した記事作りをしていきます。

また1月には、デジタル画像から透明フィルムにインクジェットプリンタで出力し、
銀塩プリントができる「デジタルネガフィルム」が、ピクトリコより発売されます。

私もピクトリコ、写真家の永嶋勝美氏と協力し、この「DGSM(デジタル ゼラチン シルバー モノクローム)プリント」のガイドブックを制作しました。
このガイドブックは、冊数限定で製品に同梱されます。

これはデジタルと銀塩の融合であり、デジタルカメラの利便性、銀塩プリントのアーカイブ性という両方のメリットを活かした画期的な製品といえます。
SHOOTINGでもこの「デジタルネガフィルム」を販売致しますので、作品制作にご利用いただければ幸いです。

本年もよろしくお願い申し上げます。


2012年1月2日
坂田大作

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ジュリア・ロバーツがモデルを務める化粧品の広告が、イギリスの国会議員から「修正されていて非現実的」との指摘を受け、同国の広告基準局(ASA)から雑誌掲載を禁じられたこの問題。
これは日本の広告、雑誌業界にも共通する課題。

広告はもちろん、今やちょっとしたリーフレットもエディトリアルの小さなカットも、人肌に関しては、はほぼ100%レタッチされている。
人々はそれを当たり前のように受け止め、広告制作者や編集者、モデルやタレントなどの当事者やその事務所も、肌をツルツルにしたり、体のラインを細くするのが当然と言う意識になっている。

みなさんどう思いますか?
程度問題ではあるが、ただ最近の広告や雑誌は少しやり過ぎではないかと思う。

ヘアメイクをするように、デジタルレタッチをするのは悪いとは思わない。ただその人らしさまでレタッチで加工・演出していくのは度が過ぎる。アゴをレタッチで削るとか...。

人が年齢を重ねていく上で、自然にできたしわは、それ自体美しいものではないのか。リフトアップして、ツルツルにして神聖化していくと、返って痛々しくなってしまわないのか。
どこまでが適切で、どこからがやり過ぎなのか、それに答えはない。これは制作関係者だけではなく、見る側も含めて、美しさの本質について考え、意識していかないと中々変わっていかない難しい問題だと思う。

このままいくと、ほんとに全てCG(バーチャルキャラクター)になっちゃうかもよ。そうするとタレントもフォトグラファーもヘアメイクも仕事がなくなる(危)。

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写真、映像クリエイティブのハブとして
2011年7月、Web Magazine「SHOOTING」を創刊しました。
「COMMERCIAL PHOTO」という広告・写真専門雑誌の編集者として、長年紙メディアに携わっていましたが、今後はWebで情報を発信していきます。無数にあるWebサイトの中で、写真、映像クリエイティブにおいて、「SHOOTING」を定期的にチェックして頂けるようなメディアを目指します。また「SHOOTING」は、表現者の皆様と共に作り上げていくメディアでもあります。
専門誌でフォトビジネスに携わってきた経験を活かし、質の高い情報を提供し、写真、映像クリエイティブのハブ的な役割を担えればと考えています。ただし全方位的ではなく、少し偏ったハブになるかもしれません。

メディア・ニュートラルな活動を
「メディア・ニュートラル」という言葉は、自分の中のキーワードの一つです。Webは速報性、アーカイブ性に優れていますが、それだけをやっていくつもりはありません。プリント、印刷媒体、電子書籍、リアルイベント他、目的、企画に合わせて様々なメディアを効果的に選択、又はクロスさせていくことが今の時代です。Webを走らせつつ、ニュートラルな立場で、制作プロデュースやフォトディレクションの仕事も引き受けていきます。

最後に「SHOOTING」の構築、「株式会社ツナガリ」の立ち上げに尽力して頂いたクリエイターの方々、関係各社に心から感謝します。
「SHOOTINGセンスいい!」「誰が作っているの?」「私のWebサイトも相談にのって欲しい...」。そんな方がいらっしゃいましたら、いつでも info@shooting-mag.jpまで連絡いただければ、喜んでご紹介いたします。

2011年7月7日
SHOOTING編集長 坂田大作

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SERVICE

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  • ピクトリコ・インクジェットペーパー SHOOTING専用バリューパック
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EDITOR PROFILE

Daisaku Sakata

Web Magazine「SHOOTING」編集長。株式会社ツナガリ代表。もと月刊「COMMERCIAL PHOTO」編集長。 Editor、Producer、Photo Director。 フォトグラファー、ヘアメイクのマネージメントもしています。

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http://www.tsunagari.co.jp/